この仕組みから、遺された家族の生活費を長期的に支えられるため、子育て世帯や家計の中心を担う人に人気があります。
今回は、収入保障保険の基本的な仕組み、メリット・デメリット、どんな人におすすめかを分かりやすく解説します。
収入保障保険とは?
収入保障保険は、死亡保険の一種です。契約期間中に被保険者が亡くなった場合、遺された家族(受取人)に「毎月」または「毎年」定額のお金が支払われる仕組みです。この支払いは、契約時に定めた保険期間の満了まで続きます。例えば、契約期間が20年の収入保障の場合、契約開始から5年後に被保険者が亡くなった場合、その時点から満了までの15年間にわたって年金のように保険金が支払われます。一括で保険金が支払われる定期保険とは異なり、「生活費を補う」目的に向いた保険と言えるでしょう。
商品によっては、死亡だけでなく、高度障害状態になった場合にも保険金が支払われるタイプもあります。また、収入保障保険は、保険金の受取方法や、最低保証期間について特徴があります。
●収入保障保険の年金受取方法は?
収入保障の受取方法には複数の選択肢があり、家族の状況に合わせて選べます。
・毎月受け取る:給与のように一定額を毎月受け取る(最も一般的)
・毎年受け取る:1年に1回まとめて受け取る
・一括で受け取る:定期保険のように、保障額全てを一度に受け取る
・一部一括+残りを月払い:最初に一部をまとめて受け取り、その後は毎月一定額を受け取る
保険会社や商品によって保険金の受け取りパターンが異なるため、加入時に希望の受取方法を確認しておきましょう。
●最低保証期間とは?
最低保証期間とは、被保険者亡くなった後、受取人に対して「必ず一定期間は保険金が支払われる」という仕組みです。
例えば最低保証期間が「5年」に設定されている場合、被保険者が保険期間の満了近くに亡くなっても、遺族はそこから5年間は毎月保険金を年金として受け取れます。
最低保証期間は一般的には5年ですが、保険会社ごとに異なる場合があります。なお、商品によって保証期間の有無や期間は異なるため、加入時に必ず確認しましょう。
収入保障保険のメリットとは?
収入保障保険のメリットには次の3つがあります。●メリット1:月々の保険料が割安
支払われる保険金の総額が時間とともに減少する設計なので、一般的な定期保険よりも保険料を抑えて加入できるケースが多いです。
●メリット2:必要な生活費を想定しやすい
毎月一定額が支払われる形なので、「いくら必要か」を考えて設定すれば、保険金の使い方も計画的にできます。
●メリット3:受取方法の選択肢が多い
受取形式を選べる商品もあり、ライフスタイルに応じて柔軟に設計可能です。
収入保障保険のデメリット
収入保障保険のデメリットには次の3つがあります。●デメリット1:時間がたつほど受け取れる総額が少なくなる
保障額は保険期間の残り期間に応じて減少するため、契約末期に被保険者が亡くなった場合、支払われる総額が少なくなる点に注意が必要です。
●デメリット2:解約返戻金がない
ほとんどの収入保障保険は掛け捨てタイプのため、途中で解約してもお金は戻ってきません。
●メリット3:税金がかかる場合がある
受取人の関係性によっては、相続税や贈与税がかかる場合があります。契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって課税対象が異なるため、事前確認が必要です。
収入保障保険が「おすすめな人」の特徴
以下のような人には、収入保障保険が特におすすめです。●小さな子どもがいる子育て世帯
収入保障保険は、子どもが成人するまでの生活費をしっかりカバーできるため、子育て中の家庭にとても向いています。
特に、一家の生活を支えている人に万一のことがあった場合、遺された家族の生活費を毎月の定額で受け取れるため、日々の暮らしを安定させられます。
また、定期保険に比べて保険料が割安なことも多く、「保険料は抑えたいけど、しっかり保障は欲しい」という家庭にもぴったりです。
●フリーランスや個人事業主
会社員に比べて、公的な遺族年金の制度が手薄なフリーランスや個人事業主にとっても、収入保障保険は頼れる備えになります。
厚生年金に加入している会社員の場合、「遺族厚生年金」が支給される可能性がありますが、国民年金のみの自営業者やフリーランスにはその制度がありません。
そのため、自分に万が一のことがあったときに遺族の生活費を補う手段として、収入保障保険が有効です。毎月決まった金額が支払われることで、遺された家族も安心して生活を続けられます。
まとめ
収入保障保険は、保険金が時間とともに減っていくという特徴はありますが、その分保険料が安く、合理的にリスクに備えられるのが魅力です。「一括でまとめて支払われるより、毎月の家計費として受け取りたい」と考える人は、選択肢に入れてみてください。必要な保障額と保険期間をよく見極めて、自分に合った内容を選びましょう。