一見便利な保険に見えますが、「わざわざ保険と貯金を一緒にする必要はない」として、おすすめしないという声も少なくありません。
今回は、養老保険の基本からメリット・デメリットまで分かりやすく解説し、どんな人に向いていて、どんな人には不向きかを整理します。
養老保険とは?
養老保険は、以下のような仕組みの保険です。・保険期間中に亡くなった場合は、死亡保険金が支払われます。
・満期まで生存していた場合は、満期保険金(通常、死亡保険金と同額)が支払われます。
このように、「生きても死んでも保障がある」ことから、養老保険は生死混合保険とも呼ばれています。
また、契約期間中に途中解約した場合は、解約返戻金を受け取ることも可能です。ただし注意点として、解約返戻金は一般的に払い込んだ保険料の累計額よりも少なく、特に契約から間もない時期に解約した場合は返戻金が0円となることもあります。
さらに、同じ保障額・保障期間の掛け捨て型(定期保険)と比べると、養老保険は保険料が高めに設定されているのが一般的です。
養老保険の3つのメリット
養老保険には、他の生命保険にはない特徴的なメリットがあります。●メリット1:満期保険金が受け取れる
養老保険は、保険期間満了時に「満期保険金」としてまとまったお金を受け取れます。あわせて、保険期間中に万が一亡くなったときには死亡保障が受け取れます。
●メリット2:満期金と同額の死亡保険金が受け取れる
保険料の支払いがまだ少ないうちに万一のことがあっても、満期保険金と同じ額の死亡保険金が受け取れます。
●メリット3:目的に合わせて保険期間を選べる
養老保険は、以下のように保険期間を自由に設計できるのもメリットです。
・「10年」「15年」など期間を選ぶ「年満期」型
・「60歳」「65歳」「70歳」など年齢で満期を迎える「歳満期」型
契約時に保険期間を選べることで、子どもの大学入学に合わせる、契約者本人の定年退職時に合わせるなど、お金が欲しいタイミングに期間を設定できます。
養老保険のデメリット
養老保険のデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。●デメリット1:保険料が割高
養老保険は、死亡しても生存してもお金が受け取れる「貯蓄型」の保険です。そのため、万一に備える「掛け捨て型」の保険よりも、月々の保険料が高くなる傾向にあります。
●デメリット2:受け取る満期金が払った保険料より少ないこともある
貯蓄性があるとはいえ、満期保険金の金額が、支払った保険料の総額より少なくなるケースがあります。契約前に必ず満期金額と払込総額を確認しておくことが大切です。
●デメリット3:満期になると保障が終わる
養老保険は、設定した保険期間が終わると保障も同時に終了します。そのため、満期後も保障が必要な人は、新しく保険に入り直す必要があります。しかし、年齢が高ければ、保険料も高くなります。また、健康状態に問題があると、新しい保険に加入できない場合もあります。
養老保険の加入をおすすめする人
養老保険の加入をおすすめする人には、以下のような、資産形成をしながら、万一の状況にも備えたいという人が当てはまります。・老後資金や教育費や住宅資金など、将来の資金を計画的に準備したい人
・万が一の際に備えながら、満期時にまとまった資金を受け取りたい人
・毎月の保険料を無理なく支払える経済的な余裕がある人
養老保険をおすすめしない人・向かない人
以下に当てはまる人は、養老保険以外の商品を検討するのがよいでしょう。・一生涯の死亡保障が欲しい人
・月々の保険料をなるべく抑えたい人
・保険と資産運用は分けて考えたい人