ホームシアター/ホームシアター関連情報

後悔しない液晶TV選び 画質チェックのツボ(2ページ目)

サイズや価格面から、液晶TVを選ぶ人は多いはず。 液晶テレビの画質の弱点知り、店頭での確認方法をマスターて、後悔の製品選びを!

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

「視野角」チェックのツボ

視野角でのアドバンテージを全面的に押し出すIPSのデモ。 クリックして拡大
カタログには、「視野角上下左右178度」などと謳われていたりしますが、この数値だけで判断すると、製品選びを誤ってしまいます。 その理由は、視野角の定義が、「コントラスト比が10:1になる角度」とされており、性能が向上した最新の液晶テレビを比較するには適していない事、また、色合いの変化など、他の要素を表していない為です。

では、最新の性能を踏まえ、視野角チェックの「ツボ」をご紹介します。

白く見えるより、暗く見えるモノ

液晶テレビの場合、正面から見た時にくらべ、斜めから見ると、必ずコントラスト比が低下し、メリハリの無い映像に見えます。 コントラスト比の低下が少ないものが優秀と言えますが、数値だけでは判断できません。 それは、製品により、黒が浮いて白っぽくなり、コントラスト比が低下するものと、黒の変化が少なく、白が暗くなってコントラスト比が下がるものなど、いくつかのタイプが存在する為です。

筆者のオススメは、白っぽく見えるより、暗く見えるモノ。 明るさの変化は大きくても、違和感が少ないはずです。 店頭では、髪の毛など、黒い部分の見え方を比較し、斜めから見てもグレーに見えたり、全体の色が薄くならないモノを選びましょう。

色合いの変化が少ないモノ

最近の大手メーカー製品に限れば、斜めから見た時、色合いが反転するような極端なモノは無くなりました。 ただ、一部のメーカー製品では、青みがかるなど、色合いの変化を感じる場合があります。 店頭では、肌色で比較し、斜めから見た時も、紫色に見えたりしないか、ナチュラルさが保たれるか、チェックしましょう。

IPSとVAの選び方

一口に液晶と言っても、映像を作り出す仕組みにより、IPS方式やVA方式などと呼ばれる方式が存在します。 一般的に、IPS方式の液晶パネルを用いた製品は、VA方式と比較して、視野角による変化が少ない利点が有りますが、正面から見たときのコントラスト感はIPS方式に比べVA方式が勝る傾向にあります。 ガイド鴻池は、どちらが優秀と言うよりも、用途によって選ぶべきと考えています。

もし、ファミリーユースで、テレビを大勢で取り囲んで視聴したり、設置位置の都合で、斜めから見る時間が長いのであれば、IPS方式が有利です。 一方、独り暮らしなど、少人数で、テレビの正面に座り、映画などをじっくり鑑賞するなら、画質面でVA方式が有利です。 因みに店頭では、IPS方式の液晶テレビには、大抵、「IPS」と分かり易く表示されています。

「動画ボケ」チェックのツボ

店頭でも見られるビクターの画面中央分割デモ。 クリックして拡大
液晶テレビは、その表示方式の特性上、動きのある映像では、尾を引いたようなボヤケ(残像/動画ボケ)現象が起こります。 この現象は、解像度感が悪くなるだけでなく、目が疲れる原因となるので、注意が必要です。 長年、液晶テレビの弱点の一つでしたが、120Hz駆動技術の登場で、大幅に改善されました。 メーカーによっては「倍速表示」、「Wスピード」などとも呼んでいます。 120Hz駆動機能は、従来60コマ/秒の映像を120コマ/秒に作り替え、高速に切り換える事で、このボヤケ現象を低減しようとするものです。 実際にその効用は高く、「120Hz駆動」機能搭載タイプがオススメです。 

但し、この機能は、元の映像にはない「コマ」を作って補完する為、画質に関しては各社の腕の見せ所とも言えます。 店頭では、左右や上下に、文字が規則的に流れるテロップだけでなく、いろいろな映像で比較しましょう。 

しかしながら、店頭に並んだテレビで、短時間で確実に比較するのは困難なのも事実です。 ご参考までに、筆者が、ある雑誌の企画で、実際に各社の映像を測定したり、テスト映像で確認したところ、ビクターが最も優秀でした。

次のページでは、惑わされてはいけないスペック項目など、まとめ・・・

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます