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今さら聞けない!「色温度」の正しい設定法(2ページ目)

ディスプレー装置の「色温度」、適当に設定していませんか? 好みで設定していると、とんでもない「悲劇」が?! 色温度設定の重要性と、正しい設定方法をご紹介します!

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

コンテンツを見る人の調整方法

パソコンでホームページを見たり、テレビでDVDを見たりするだけならば、基本的として、周囲(環境)の色温度に合わせて、ディスプレーの「色温度」を調整するだけでもOKです。 色温度設定の項目が「高・中・低」など、数値(K)が明確でない機器の場合、映像の「白」が「白」に見えるよう、「色温度」や「色合い」を調整してください。

周囲(環境)と色温度の関係は、おおよそ下記の通りです

色温度 自然光(太陽光) 照明光
7000K 曇天 クール色蛍光灯
6500K 晴天時の正午 昼光色蛍光灯(D)
5000K 晴天時、午前9時/午後3時 昼白色蛍光灯(N)
4000K 日の出90分後/日没90分前 白色蛍光灯(W)
2800K 日の出40分後/日没40分前 電球(100W~)

*数値、表現、色は、おおよその目安です。

 

尚、学術的な基準とされる6500K(標準白色)以外で、目の「色順応」が働いている場合、白色は「白色」に見えても、他の色の「色合い」が、実際と異なって見えることが研究によって明らかになっています。

映画の場合、6500Kを基準に制作されており、制作者の意図した色合いを、より忠実に感じたいのなら、部屋を充分暗くするか、照明環境を6500Kに整え、ディスプレーの「色合い」も6500K相当に設定するのが理想的です。 プロジェクターの場合、暗室で見るのが基本ですので、機器を6500Kに設定すればOKです。

余談ですが、適切な設定を行っていれば、ネットショッピングで衣類などを購入した際、「画面で見た写真の色と、届いた商品の色が違う!」という悲劇も起こりにくくなるでしょう。

但し、ネットショッピングの場合、制作者側が厳密な色管理を行っていないケースが多く、悲劇がゼロになる事はありませんが・・・

(制作者側での調整方法は次の項目で)

 

 

コンテンツを作る人の調整方法

ホームページを作成したり、映像や写真を掲示する際、閲覧している人々が、「自分と同じ色合いで見ている」と思い込んで作業をしてないでしょうか?

例えば右の写真をご覧ください。 「青空の元の白い鳥」を意図して掲載した写真が、閲覧者の目には、「夕暮れに佇む鳥」に見えているケースもあるでしょう。

閲覧者側での色合い設定は様々ですが、閲覧者が正しい設定を行った際、正しい色合いで閲覧できるよう、制作者側は「基準」である6500Kに沿って作業を行うのが理想的です。

まず、ディスプレーの色温度(色合い)を6500K相当に設定し、その画面が正しい色合いで見えるよう、周囲を充分暗くするか、外光を遮り、昼光色の蛍光灯で安定した照明環境を保ちましょう。

ちなみに、プロの映像評価現場は、完全な暗室です。 こだわるなら、作業完了後、暗室で色合いの最終チェックを行うと良いでしょう。 日光の多く入る部屋は、色温度や明るさが大きく変化するので、映像制作には適していません。

 

次のページでは、家庭でも厳密な映像管理が行える、便利な調整機器をご紹介します!

色合いが変わると、単に色が変わって見えるだけでなく、制作者の意図が異なって伝わってしまう。
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