亀山早苗の恋愛コラム

「本当に相性のいい夫婦」とは? バツイチ40歳女性が選んだ“チャラ男”が最高の夫である理由

「深刻になるのは苦手」という40歳女性。堅物過ぎる最初の夫と3年で離婚し、熟慮を重ねて次の相手を選んだ。再婚した今の夫はチャラいが彼女と相性がよく、ケンカもせず幸せな家庭を築いている。その「夫婦の相性のよさ」とはどんなものなのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「相性のいい夫婦」とは……

「相性のいい夫婦」とは……

まじめなのは悪いことではないが、まじめが向かない人もいる。気楽に付き合えて軽口をたたき合って、いざというときは真剣に話し合える。そういう関係を望むなら、「相性」こそが重要なのかもしれない。

最初の結婚がつらかった

「私はもともと能天気なんです。よほどのことがない限り、深刻にはならない。なるべく軽く楽しく生きていきたい。うちの父親が非常にきまじめで杓子定規な人だったので、もっと柔軟な人と結婚したいと思っていた」

アヤコさん(40歳)は、28歳のときに結婚したが3年足らずで離婚。その原因は「相手が堅物過ぎること」だった。その結果、アヤコさんは夫に束縛され、自由をなくしたような気がしてならなかったという。

「共働きなのに、私だけ『夜9時には帰っていなさい』とか『人妻なんだから短いスカートははかないで』とか、今だったら精神的DVに近いことを言われていました。自分の意見をはっきり言うと、『女の子はそんなに理屈っぽくなくていいんだよ』『きみはかわいいんだから』って。気持ち悪いですよねえ。私は昔からかわいげのない女だし、それでいいと思っていた。どうしてこんな人と結婚しちゃったんだろうと自分の見る目のなさを悔いました」

夫に「どうしても我慢できない。あなたは私といても幸せにはなれない」と言ったら、夫も「僕もそう思ってた」と言われた。「きみはもっと僕を頼ってくれるかわいい女性だと思い違いしていた。申し訳ない」と謝られ、脱力して笑ってしまったそうだ。

「互いに見る目がなかったということでしょうね。望んでいることは分かっていたのに、なぜか違うタイプを選んでしまった。今となっては、若気の至りということにしていますけど」

アヤコさんはケラケラと笑い飛ばした。

熟慮を重ねて

だからこそ、次の相手は、自分にうそをつくことなくきちんと見抜こうと決めていた。

「33歳のとき、友だちの食事会で出会ったのが今の夫です。一応、会社員なのに、どこかチャラチャラしていて女にも軽い。そんな感じだったからあまりいい印象は持っていなかった。でも翌日すぐ、彼から連絡があったんですよ。食事でもどうですかって」

共通の友人によれば、「チャラく見えるけど、そして実際、チャラい面はあるけど、とにかくいいやつ。絶対に裏切らないし、面倒見もいい。先輩から後輩まで、男女問わず彼のファンは多いよ」とのことだった。

「とりあえず食事くらいしてみようかと会ってみたら、やっぱり軽い(笑)。軽いんだけど、悪い感じはしなかった。週末、何をしているかという話をしていたら、ジム通いに映画鑑賞というから、私もほぼ同じと盛り上がって。でももっと聞いてみたら彼、子どものための無料塾のボランティアをしていると。『別にいいことしてるアピールじゃないんだけどさ、昔、教師になりたいなと思ったこともあるから』と照れ笑い。いいところもあるじゃん、と思わず言ったら『そんなに悪いやつだと思ってたの?』と彼も笑い出しました」

一緒にお笑いライブに行ったりジムに行ったり。無料塾で彼が明るく子どもたちに接している様子も見た。

「居酒屋に行くと、店の人とすぐ仲よくなるし、そういうところは軽いんですけどね。行きつけの居酒屋では常連同士でボウリング大会やカラオケ大会もしてる。そういうときは彼がいつでも幹事。付き合えば付き合うほどいいやつじゃんと思うようになりました」

互いに詮索しない関係

ほどなく一緒に住み始めたが、彼はまったく彼女の行動を詮索しようとしない。彼女もまたそういうタイプだった。

「仕事で出掛ける彼に、何時に帰るって聞いたことがないんです。あるとき彼が、『そういうの聞く女性の方が多いよね』と言うから『だって私、あなたを信用してるもん』と答えたら、いきなりぎゅうっと抱きしめられた。分かり合えそうだと思いました」

その後、結婚。一人息子は現在、4歳になる。スケジュールだけは知らせ合うようになったが、互いになるべく柔軟に対応し、どちらかに家事育児が偏らないようにしている。

「このところアヤコの方が忙しかったから、次の週末はゆっくりしてなよと言ってくれる。そう言われれば、こっちも『そう言ってくれるだけでいいよ、一緒に家事を済ませちゃおう』となる。彼も私も、何が起こってもいちいち深刻にならずに笑い飛ばそうと思ってるんです」

結婚後もケンカはなし

アヤコさんも夫に忖度(そんたく)したような会話はしない。例えば、次の日曜日、時間ある? というような言い方を彼女は嫌う。ストレートに「日曜日、私はこういう用事があるんだけど、あなたは?」と聞く。互いに私用が重なったときは、どちらが重要かを二人で話し合う。どちらも譲れないときは親戚の大学生にアルバイトで来てもらうとか、ベビーシッターを頼むとか解決策を話し合う。

「結婚してからケンカをしたことがないですね。二人ともきっちり自分の要求は出す、話し合う、解決策を導く。これだけなのでケンカにならない。私が一番あわてふためいたのは、昨年秋に父が倒れたと報せを受けたとき。平日の夜だったんですが、彼、すぐに友だちに電話をかけて車を借り、私の実家まで2時間かけて送ってくれました。慌てるな、大丈夫だよと元気づけてくれて。翌朝早くから大事な会議があったというのにそのことは言わなかった」

父はすっかり元気になったが、アヤコさんはそのときの夫の思いやりには今も感謝している。ありがとうと言ったら、夫は「よせよ、当たり前のことじゃん」と照れた。照れる男は上等である。あっさりした関係でありながら、相手を思いやる気持ちを忘れない。それがアヤコさんたちの相性のよさなのだろう。
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