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『劇場版 それでも俺は、妻としたい』風間俊介&MEGUMI「ダメ夫のクズな言動が至る所から飛んでくる」(3ページ目)

『劇場版 それでも俺は、妻としたい』の主演・風間俊介さんとMEGUMIさんにインタビュー。本作は大好評だったドラマのディレクターズカット版。ユニークな夫婦愛について語っていただきました! ※サムネイル写真:Kaori Saito(All About)

斎藤 香

斎藤 香

映画 ガイド

フリーランスライター。芸能誌、映画誌の編集者を経て、現在、映画を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。インタビュー経験も多数あり。

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キュートで最高にすてきな夫婦

「それでも俺は、妻としたい」

(C)「それでも俺は、妻としたい」製作委員会

――とにかく名セリフ、名シーンが多い作品ですよね。おふたりの好きなシーン、セリフはありますか?
 
MEGUMI
:私は漫才のシーンですね。豪太が漫才をやると言ったとき、チカはその話に乗るのですが「チカ、漫才やるんだ」と台本を読んで驚いたんです。「アンタが本気でやるなら、私も本気でやるよ」という……。この夫婦はずっとこういう感じでギリギリの状況でも協力し合ってやってきたんだろうなと思いました。
 
風間:しかも、漫才をやると言い出した豪太のほうが、腰が引けているという……。
 
MEGUMI:そうそう(笑)。この夫婦のバランスが浮き彫りになっているシーンだと思います。バカなところもあるけど、最高にキュートで微笑ましくて、なんてすてきなふたりなんだろうと思いました。
「それでも俺は、妻としたい」

(C)「それでも俺は、妻としたい」製作委員会

風間:僕はこの作品の魅力は、劇的に盛り上がるとか、何かが変わる瞬間というのではなく、“夫婦の日々の積み重ね”だと思うんです。だから好きなシーンは全部ですが、あえて言うと、妻と息子と3人で囲む食卓ですね。どんなに夫婦で言い合いになっても、家族で食事をする。あの食卓のシーンはとても好きだし印象深いです。

風間さんとMEGUMIさんの好きな映画 

――All Aboutでは取材のとき、好きな映画や映画生活についてお伺いしているのですが、おふたりは好きな映画、最近見た映画などありますか?
 
風間
:好きな映画はたくさんあり「どれにしよう」と悩んでしまいますが、その中から『羊たちの沈黙』を挙げます。僕の憧れはずっと『羊たちの沈黙』でアンソニー・ホプキンスが演じたハンニバル・レクターです。とても穏やかな語り口なのですが、話せば話すほど狂気がにじみ出る……。静かな狂気は一番恐ろしいと思いますし、ハンニバル・レクターは静かで美しい狂人そのものなんです。
 
MEGUMI:レクター博士の役、風間くん、似合いそう。
 
風間:もっと年齢を重ねていつかやりたいですね。僕はこれまでも狂気にかられた役は演じてきているんです。そういう役を演じるとき、ハンニバル・レクターに憧れる気持ちが役に影響を与えていると思います。
 
MEGUMI:私はNetflixで見た『アドレセンス』というドラマが衝撃的でした。1話ワンカット撮影のドラマです。13歳の少年が殺人容疑で捕えられるところから始まるのですが、物語も素晴らしくて。リアルにありそうだと思いましたし、最後のほうは号泣してしまうくらい感動しました。
 
このドラマを演出したフィリップ・バランティーニ監督は、人気レストランのオーナーシェフの大変な一夜を描いた『ボイリング・ポイント/沸騰』(2021)という映画でも90分ワンカット撮影の作品を作り上げている監督なんです。オススメです。
「それでも俺は、妻としたい」

(C)「それでも俺は、妻としたい」製作委員会

――最後に、『劇場版 それでも俺は、妻としたい』を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージを。
 
風間
:この作品はぶっ飛んでいる印象があるかもしれませんが、1つの家族を深く描いた作品なんです。「家族の仲がギクシャクしている」とか「友達から家族の問題について相談された」とか、そんな人にオススメです。この映画の家族は特別じゃない。皆さんと同じ世界線で生きている家族なので、「他の家族はどのような感じかな」と思ったら、ぜひ見てください。
 
MEGUMI:結婚している方は共感度が高いと思います。「みんな大変だな、うちも頑張ってみよう」と、ポジティブな気持ちになれるし、同時に喝を入れてくれる作品だと思います。また独身の方は、結婚に甘い幻想を抱いている方もいると思いますが、結婚=生活というのがよく分かると思います。
 
また会話がとても面白いので注目していただきたい。「こんなことは普通は言わない」というような非現実的なセリフはありませんから。「分かる、言いたくなる」と思うセリフが多く、笑えると思います。そんな豪太とチカの豪快な会話のキャッチボールを楽しんでいただきたいです。

風間俊介さんのプロフィール

1983年6月17日生まれ、東京都出身。

1998年にドラマ初出演。翌1999年に『3年B組金八先生』(TBS)で第3回日刊スポーツ・ドラマグランプリ最優秀新人賞を受賞。さらに2011年『それでも、生きてゆく』(CX)で第66回日本放送映画藝術大賞 優秀助演男優賞、第70回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞を受賞。

近年の主な出演作に舞台『モンスター』(2024)、映画『先生の白い嘘』(2024)、ドラマ『初恋、ざらり』(2023/TX)、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合)などがある。

MEGUMIさんのプロフィール

2020年に『台風家族』(2019/市井昌秀監督)、『ひとよ』(2019/白石和彌監督)で第62回ブルーリボン賞助演女優賞受賞。ほか、主な出演作に、『東京タワー』(2024/EX)『ビリオン×スクール』(2024/CX)、映画『おいハンサム!!』(2024)などがある。

近作は映画『かくかくしかじか』(2025)『蔵のある街』(25年8月22日全国公開予定)。またプロデューサーとしても活動しており、ドラマ『くすぶり女とすん止め女』『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』(TX)、映画『零落』(2023/竹中直人監督)、ショートムービー『LAYERS』などがある。

『劇場版 それでも俺は、妻としたい』2025年5月30日公開

「それでも俺は、妻としたい」

(C)「それでも俺は、妻としたい」製作委員会

原作:足立紳『それでも俺は、妻としたい』(新潮文庫刊)
脚本・監督:足立紳 
出演:風間俊介、MEGUMI、嶋田鉄太、吉本実憂、熊谷真実、近藤芳正
(C)「それでも俺は、妻としたい」製作委員会

撮影・取材・文:斎藤香
ヘアメイク:清家いずみ(風間俊介)、エノモトマサノリ(MEGUMI) 
スタイリング:手塚陽介(風間俊介)、ミク(MEGUMI)
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