自分の仕事を減らしておけば辞めたときのインパクトも減る
では、どうしたらこうした退職時のトラブルを回避できるだろうか。それには退職したい日のなるべく前から、時間をかけて取り組んでおきたいことがある。それは「日々の仕事を少しずつ減らしていくこと」である。例えば引き受ける仕事の量を減らし、取り組む仕事の絶対量を減らすことだ。もちろん目立たないように進める必要はある。その際、仕事の質は落とさないように気を付ける必要もある。仕事を減らしながら、残った仕事に関しては意識的に他の人と一緒に取り組んだり、報告書やメールを相手に積極的に共有するのも効果的だ。引き継ぎ書に転用できるように、自らの仕事を整理して、業務マニュアル化を進めておくことも役立つだろう。
つまり、なるべく早くから自分がいなくなった後の職場を想像しながら、さまざまな準備を静かに進めておくのである。退職したいというあなたの気持ちや状況を理解し、周りの人に共感してもらえて辞めることができたら、最も理想的である。辞めた会社の同僚との人間関係は、できることなら辞めた後も続けられることが望ましい。いろいろと腹を割って相談できる相手がさまざまな場所にいれば、将来の転職にも備えることができる。現代はまさに転職の時代であるのだから。