「残響音」とは?
残響音とは文字通り、スピーカーから出た音が、天井や床、壁面等に繰り返し反射することで生まれる「音」です。 シアタールームの構造や壁面の材質など、いろいろな要素によって、残響時間や「質」は異なります。
スピーカーから出た音が、「制作者の意図した音」とすれば、残響音は、「部屋自体の音」と言えます。
あなたのシアタールームが持つ個性(残響音)によって、「制作者の意図した音」は少なからず影響を受ける事になります。
例えば、トンネルの中で、話したり歌ったりした経験思い浮かべてください。 「キンキン」とした音色が数秒響き、愉快だったのではないでしょうか?
でもこれが、あなたのシアタールームであれば、大変「有害」で有ることはご理解頂ける事でしょう。
尚、厳密に「良い残響音」のお話をすると、シアタールームの構造や材質、各種データを用いた複雑な計算が必要となり、大変難解なものになってしまいます。 シリーズ記事のテーマである「自分で手軽に出来る・・・」から脱線してしまいますので、今回は、特に有害な残響音の一種「Slap Echoes」について、その見つけ方と、対策をご紹介します。
Slap Echoes(有害な残響音)とその仕組み
「Slap Echoes」は、平行した2つの壁面間で、音が繰り返し反射して起こります。 実害としては、音が明るく(高く)なるなど、音色の変化や、音色の変化による、サラウンド効果(定位感)の再現性に悪影響を及ぼします。
壁面がコンクリートや大理石のように、平らで固い材質であれば、「Slap Echoes」は強く現れることになります。
イラストは、シアタールームを真上から見た様子で、グレーの部分は壁面を表しています。 音の反射は、壁面だけでなく、天井と床面の間でも起こります。