いつか大河ドラマで上杉謙信を演じたい!
――さまざまな作品に出演されてきて、今、演じることは楽しいと感じていますか?長尾:楽しいです。「よく俳優はいろいろな人になれるから楽しい」と聞きますが、僕もそれには共感しますし、役を通して発見や勉強があるのがいいですね。僕は悪役を演じたことがないので、自分が演じてきた役に対してリスペクトしかないけれど、そう思えることも芝居の魅力だと思います。
僕はもともと、芸能界に入っていなかったら海上保安官になるのが夢だったんです。映画『海猿』の影響なんですけれど。ただ俳優の仕事をしていれば、役で海上保安官になれるし、織田信長にもなれる。もし、僕が海上保安官になっていたら、織田信長にはなれないじゃないですか。
そう考えたら、俳優の仕事は夢が詰まっていると感じます。役を演じて、その気持ちを感じて、役の上だけでも憧れの職業に就いたり、歴史上の人物になれたりするというのは俳優の非常に大きな魅力だと思います。
――今後、海上保安官の役が来るかもしれませんしね!
長尾:そうですね。でも一番やりたいのはNHK大河ドラマの主役です。もっと年齢を重ねていつかは大河ドラマの主演をしたい。役は上杉謙信! 実は僕の謙杜という名前は「上杉謙信」からきているんです。
いろいろな武将を演じてみたいけれど、大河の主役を演じるときは、上杉謙信と決めています。なので僕が演じるまで誰にも大河ドラマで上杉謙信を演じてほしくないんです。一度でも先に誰かに上杉謙信を演じられたら、そこから数十年は、上杉謙信が主役の大河ドラマは作られないと思うので。「僕が演じるまで誰も演じないでください、待っていてください!」と願っています。
完成した作品は新鮮! 主題歌は最高!
――完成した映画を見た感想を教えてください。長尾:自分が出ていないシーンもあるので、1つの作品として見たとき、新鮮な気持ちもありましたし、自分が演じた心也の未来の姿がディーン・フジオカさん!という驚きもありました。
ただ自分が出演しているので、反省点もいろいろあります。撮影のときは常に100%の力で演じていたので後悔はないけれど「今ならこう演じたかな」と思ったりしました。芝居は正解・不正解がはっきりあるわけではないですが、俳優の仕事をする上で、必要なことが見えてきました。
あとは主題歌! Uruさんの歌う『フィラメント』がすごくいいんです。もともとUruさんの曲をよく聞いていたので、主題歌がUruさんと聞いてうれしかったですし、いい声、いい歌詞、そして世界観がこの映画にぴったりで感動しました。この歌を聞いていると、撮影のときを思い出しますし、心也と夕花が歌の中でも生きているように感じて……。本当にいい歌だなと思います。
ぜひ劇場で心也と夕花の青春を見ていただきたいです。よかったら感想を教えてください。
取材・文:斎藤香
長尾謙杜さんのプロフィール
2002年8月15日生まれ。大阪府出身。2018年、なにわ男子のメンバーに選ばれる。『俺のスカート、どこ行った?』(2019/日本テレビ)で連続ドラマに初出演。2021年、なにわ男子として『初心LOVE(うぶらぶ)』でCDデビュー。以降、なにわ男子の活動とともに俳優としても活躍。主な出演作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)『室町無頼』(2025)。
『おいしくて泣くとき』大ヒット上映中
出演:長尾謙杜、當真あみ原作:森沢明夫『おいしくて泣くとき』(角川春樹事務所刊)
監督:横尾初喜
脚本:いとう菜のは
音楽:上田壮一
主題歌:Uru 『フィラメント』(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
配給:松竹
(C)2025映画「おいしくて泣くとき」製作委員会
『おいしくて泣くとき』公式Webサイト