資産運用

株価10倍を狙う!「テンバガー銘柄」の3つの共通点とは?

『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を28年間続けている渡部清二さん(複眼経済塾・塾長)に、テンバガー銘柄(株価10倍高)を見つけるためのポイントを教えていただきました。

執筆者:All About 編集部

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1936年の創刊以来、株式投資家のバイブルとして愛読されてきた「会社四季報」(東洋経済新報社)。今回は、2100ページ超の分厚い会社四季報を全て読み込む「四季報徹底読破」を28年間続けている渡部清二さん(複眼経済塾・塾長)に、誰でもできる「テンバガー銘柄(株価10倍高)」の見つけ方を伺いました。

株価10倍高のヒントは時価総額の低い成長企業

渡部さん:過去の例でも分かるように、テンバガー銘柄(株価10倍高)の多くは時価総額の小さな中小型株が中心です。そこで、テンバガー銘柄の発掘方法をご紹介しましょう。

私自身、テンバガーを達成した銘柄について、過去の会社四季報をさかのぼって何度も検証してみました。そこで共通点として浮上したのが、以下の3つのポイントです。
 
まず1つ目は、時価総額300億円以下の中小型株であること。2つ目は、成長企業であること。具体的には、年間で売り上げの伸びが20%以上であること。

そして最後は、社長が筆頭株主のオーナー企業であることです。過去にテンバガーとなったソフトバンクグループ<9984>、ユニクロを展開するファーストリテイリング<9983>、インテリアや家具を手がけるニトリホールディングス<9843>にも共通する項目です。
 
ただし、2024年は時価総額が1,000億円以上の銘柄の中にも、株価が大きく上昇したものがありました。
2024年1集春号から1年間で上昇した銘柄ベスト5(渡部氏のデータをもとに作成)※条件:1年前時価総額1,000億円以上/会社四季報発売日終値比較

2024年1集春号から1年間で上昇した銘柄ベスト5(渡部氏のデータをもとに作成)※条件:1年前時価総額1,000億円以上/会社四季報発売日終値比較


例えば、電線のフジクラ<5803>は1年で株価が6倍、IHI<7013>や古河電気工業<5801>が3倍になっています。これらに共通しているのは、1年前の新春号で見て、今期が減収減益、来期が増収増益に転じていること。いわゆる「業績回復株」です。

(文:三枝 裕介/写真:佐坂 和也)

教えてくれたのは……渡部 清二さん(わたなべ・せいじ)

1967年生まれ。筑波大学卒業後、野村證券に入社。野村証券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。28年以上の継続中で、2024年12月発売の新春号をもって、計109冊を読破。2013年に野村証券を退社し、四季リサーチ株式会社を設立、代表取締役に。2016年に複眼経済観測所(現・複眼経済塾)を設立。「会社四季報オンライン」では、コラム「四季報読破邁進中」を連載。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介された。

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