Q. 性行為をしていないのに、クラミジアに感染することはありますか?
性感染症のクラミジア。性行為以外で感染するリスクはあるのでしょうか?
Q. 「パートナー以外と性行為をしていないのに、クラミジアと診断されました。パートナーは無症状ですが、性行為以外でクラミジアに感染することはありますか? 温泉やプールで感染してしまった可能性もあるのでしょうか?」
A. 一般的に性行為以外で感染する可能性は、ほぼありません
クラミジア感染症は、性行為を通じて感染する性感染症の1つです。 今回のご質問のように、「性行為以外で感染することはありますか?」という質問は、診療の場でもよく受けます。感染に心当たりがないという人もいます。しかし、クラミジアは基本的に性交渉による粘膜接触で感染する病気です。入浴や食事、トイレの共用といった日常生活で感染する可能性は、極めて低いとされています。温泉施設やプールでの感染する可能性もないと考えてよいでしょう。パートナーが無症状だからといって感染していないとは言えません。感染しても症状が出ず、感染を広げてしまうことも多いのです。感染リスクが高い場面や状況について、分かりやすく解説します。
クラミジアの主な感染経路は性行為
クラミジア感染症は、感染者の分泌物が粘膜に接触することで広がります。具体的には以下のような経路が挙げられます。■膣性交
性交時に感染者の分泌物が相手の膣粘膜に接触することで感染が広がります。特に若年女性は粘膜が繊細なため、感染リスクが高いとされています。
■肛門性交
肛門の粘膜は傷つきやすく、そこを介して感染する場合があります。感染後、直腸炎を引き起こすこともあります。
■オーラルセックス
口腔粘膜を通じてクラミジアが感染することもあります。この場合、喉に感染が起こり、クラミジア性咽頭炎を発症する可能性がありますが、多くの場合、無症状です。
■分泌物の接触
まれではありますが、感染者の分泌物が手や性器を介して粘膜に触れることで感染する場合もあります。ただし、一般的な日常生活において、そのような状況はほぼないでしょう。
クラミジアが温泉施設やプールで感染しないと言える理由
クラミジアは、体外での生存期間が非常に短いです。空気や水を介して感染することもありません。そのため、同じ浴槽を使ったり、トイレや食器を共有したりしても、感染したり、感染させたりする心配はありません。温泉施設やプールなども同様です。これらの日常的な接触、物や場所を介した接触で感染することはなく、あくまでも「直接的な粘膜接触によって感染する病気」だと理解することが大切です。
クラミジアの無症状感染のリスクと、正しい予防法
クラミジア感染症は、男女ともに無症状で経過することが多いのが特徴です。症状がないため、感染に気づかず他者へ広げてしまうことも少なくありません。そのため、感染リスクがある行動を取った場合は、症状の有無にかかわらず検査を受けることが推奨されます。
クラミジア感染症を予防するためには、以下のポイントを守ることが重要です。
■コンドームを正しく使用する
性行為時にコンドームを正しく使用することで、感染リスクを大幅に低減できます。
■パートナーとの関係性を明確にする
複数の性パートナーがいる場合、感染リスクが高まります。信頼できるパートナーとの関係を築くことも予防の一環です。
■定期的に検査を受ける
特に若年層は、自覚症状がなくても定期的な検査を受けることが勧められます。早期発見により、感染の拡大を防ぐことができます。
まとめ
クラミジア感染症は、主に性交渉を通じて感染する病気であり、日常生活で感染が広がる可能性は極めて低いといえます。無症状のまま感染が広がることが多いため、定期的な検査やコンドームの正しい使用などの予防策が重要です。
感染リスクを正しく理解し、自身とパートナーの健康を守る行動を心がけましょう。