Q. 長期で積立投資をする場合、売却は一括か分割のどちらが良いでしょうか?
「つみたて投資枠の利益確定について教えてください。20年間、VTI(※)への積立投資を考えています。投資をした場合、利益確定の際に一括で売却するべきか、それとも一定の割合で分割して売るべきか、どのような方法が適しているかを伺いたいです」(ウイングさん)※米国のバンガード社が提供しているETF
積立投資のベストな売却方法は?
A. 「資金状況や売却したお金の使い方にもよりますが、一般的には分割して売却する方がリスクを抑えられると思います」(深野さん)
積立投資を始めて20年運用することを目標にしている場合でも、20年後に必ず利益が最大化される保証はありません。そのため、20年を迎える1~2年前、つまり18年目くらいから売却の準備を始めるのが良いと思います。18年目がピークになる可能性もあるためです。基本的には、一括よりも分割して売る方がリスクを抑えられます。商品ごとに売却を考える場合は、どれくらい利益が出ているかを基準にして、売る割合を決めるのが良いでしょう。
例えば、18年目の時点で積み立てた資産が3倍に増えていたら、そのうち3分の1を売却して投資元本を回収しておくのも1つの手です。元本を回収すれば、残りは“ノーコスト”の状態となり、20年を超えてさらに長期間保有する選択肢も取れます。この場合、必要に応じて少しずつ現金化して使うという方法も考えられます。
ただし、ご自身の資金状況や資金を使う目的によっては、資産の6~7割を一括で売却することも選択肢となります。例えば、住宅ローンを完済したいといったケースなどです。売却後のお金の使い道も併せて、検討してみてください。
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教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など