義母に対して「常に肩身が狭い」
現在、第三子を妊娠中のエリコさん(37歳)。結婚して8年、6歳と3歳の女の子がいる。「私自身が、どうしても男の子を育ててみたくて。子どもが好きなんです。でも同じくらい仕事も好きなので、仕事を辞めるつもりはまったくなくて」
1歳年上の夫は彼女と同じ考えで、長女の時も次女の時も彼女と時期をずらして産休をとってくれた。だからワンオペの厳しさも身に染みている。
「夫婦2人だけで育てるのはどうしても難しいと思っていたら、夫の母が『大変な時は預かるから、遠慮しないで』と言ってくれて。近所に住んでいるので、どうしても夫と私の間で時間のやりくりがつかない時だけ、保育園に迎えに行ってもらったりしているんです」
70歳になったばかり、元気な義母は子どもたちとも仲良しだ。特に不満はないのだが、それでも「常に肩身が狭い」とエリコさんは言う。
「母なのに働いている」という義母の本心
「夫が出張で私が残業だったある日、義母に子どもを預かってもらって、夜10時頃迎えに行ったことがあるんです。義母は『大変ね。こんなに遅くまで女性に仕事をさせるの? あなたの会社は』って。義母に悪気がないのは分かっているんですけど、私からすると、『女だって残業するよ、会社がさせてるわけじゃなくて、仕事にトラブルが生じてどうしようもなく残業になったんだよ』と言いたいくらい。でもそこをぐっと抑えて、仕事をしているといろいろありますからと控えめに言ったんです。すると義母は『私は結婚してから仕事をしたことがないから……。ごめんなさいね、分からなくて』と。笑顔のやりとりなんですが、たぶん、互いに相手の言うことを嫌みだと解釈しているわけですよね、これって」
ふうっとエリコさんはため息をつく。そうした義母とのやりとりが、いちいちストレスになってしまうそうだ。悪気がないのは分かっていながら、どうしてもひっかかってしまうのは、「妻で母なのに働いているという意識」なのだろうか。
「そうですね。義母は専業主婦だったから、子どもに不自由はさせたことがないというのが自慢で。夫に聞くと、『駄菓子屋で買い食いすると怒られた。母親の手作りのクッキーがいつも用意されていて。本当は買い食いの方が楽しいしおいしいんだけどね、子どもは』と。そのあたりの義母のプライドを傷つけてもいけないし、自分自身、心のどこかで仕事をしていることが子どもに申し訳ないという“刷り込み”みたいな罪悪感があるんですよねえ」
こればかりは刷り込まれているから、なかなか払拭(ふっしょく)できないのかもしれない。
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