1:『十一人の賊軍』2024年11月1日公開
白石和彌監督の本作は、山田孝之、仲野太賀などスター俳優が出演している時代劇。鳥羽・伏見の戦いをきっかけに新政府軍と旧幕府軍による戊辰戦争が勃発。そんな中、新発田藩は罪人を集めて決死隊を結成。砦(とりで)を守らせる……という物語。決死隊の面々は死刑囚だけれどワケありの罪人が多く、彼らのドラマも見応えあり。後半のアクションシーンはこの映画のハイライトです。男だらけの賊軍の中で、なつを演じる元モー娘。の鞘師里保が大健闘。女を武器にせず罪人らと共に戦う女性を体当たりで演じています。注目ですよ。
監督:白石和彌
2:『レッド・ワン』2024年11月8日公開
何者かに誘拐されたレッド・ワン(サンタクロース)をサンタクロース護衛隊が決死の覚悟で探しまくるというアクションコメディー。ドウェイン・ジョンソン、クリス・エヴァンスが怪演を見せてくれます。めっちゃくちゃバカバカしく、サンタクロース映画の中でもかなり変化球ですが、だからこそ楽しい!演出は『ジュマンジ』シリーズのジェイク・カスダン監督。ドタバタコメディーは大得意ですからね。スカッと笑えて、日頃の疲れも吹っ飛びますよ。
監督:ジェイク・カスダン
3:『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』2024年11月15日公開
アカデミー賞作品賞、主演男優賞(ラッセル・クロウ)を受賞した傑作『グラディエーター』の続編がなんと24年ぶりに映画化されました!ローマ軍に妻を殺されたルシアス(ポール・メスカル)は、闇の奴隷商人(デンゼル・ワシントン)に気に入られ剣闘士に。コロセウムでの戦いで圧倒的な強さを見せるルシアスですが、実は復讐を胸に秘めていたのです。
『異人たち』でも繊細で素晴らしい演技を見せていたポール・メスカルが、本作では剣闘士として壮絶なバトルを展開。こんなに振り幅のある俳優だったのかと驚きです。
そして悪役を演じるデンゼル・ワシントン! 超悪役を余裕しゃくしゃくの芝居で見せていて素晴らしい!
前作が傑作だとハードルが上がりがちな続編ですが、そんなハードルはスルッとクリア。ぜひ大スクリーンで見てほしい作品です。
監督:リドリー・スコット
4:『六人の嘘つきな大学生』2024年11月22日公開
浅倉秋成の大ヒット小説『六人の嘘つきな大学生』(角川文庫刊)の映画化作品。大学生を浜辺美波、赤楚衛二、佐野勇斗、山下美月、倉悠貴、西垣匠という若手俳優たちが演じています。人気企業の新卒採用で最終面接に残った6人の大学生。とても仲良くなった彼らはグループで採用を目指すけれど、それぞれに疑いの目を向ける羽目に……。
友情が生まれかけていた6人の人間関係が崩れて本音が見えるプロセスや、彼らの隠し事などがミステリータッチで描かれていくという展開にハラハラします。俳優たちが役にピッタリで全員好演。社会人になる直前に社会の痛烈な洗礼を浴びる彼らの未来は? 苦み走った青春映画です。
監督:佐藤祐市
5:『正体』2024年11月29日公開
横浜流星の主演映画『正体』は染井為人の同名小説の映画化作品。日本全国を震撼(しんかん)させた猟奇的殺人事件の死刑囚・鏑木(横浜流星)が脱走。彼は見た目を変えて、さまざまな土地に現れるのですが……。『余命10年』『ヴィレッジ』などを手掛けた藤井道人監督が、主人公・鏑木の心に寄り添いながらスリリングで先の読めない作品を作り上げました。
横浜流星が素晴らしいのはもちろんですが、鏑木と関わる人物たち、森本慎太郎、吉岡里帆、山田杏奈、そして鏑木を追う刑事・山田孝之などキャストは全員ハマり役!
鏑木はなぜ事件を起こしたのか? 彼の目的とは? 最後まで緊張の糸が途切れないサスペンスの傑作です。
監督:藤井道人
ほかにも『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(上田慎一郎監督作)、『本心』(三吉彩花出演作)や黒木華主演映画『アイミタガイ』もおすすめです!