映画館のベスポジは一緒の二人
――All Aboutでは取材した方に、好きな映画や映画館の好きな座席(ベスポジ)を聞いているのですが、綾瀬さん、大沢さんは映画館にはよく行かれますか?綾瀬:最近は全然行っていないですね。エマ・ストーン主演の『哀れなるものたち』 を映画館で見たのが最後だと思います。好きな座席はやっぱり真ん中で、真正面から見たいです。
大沢:『変な家』を見に行きました。座席は綾瀬さんと同じで真ん中です。前のほうの席だと首が痛くなりそうだからです。
綾瀬:『変な家』怖かった?
大沢:怖かった! 怖すぎて友達が大声出していました(笑)。 ―最後に完成した映画を見た率直な感想をお願いします。
綾瀬:のり子とハルが出会う人々はみんな魅力的ですが、生きているのか死んでいるのか分からないんです。でも生死の境を曖昧にすることで「死ぬことを怖がらなくてもいい」と思えたり「生きるっていいな」と感じたり。とても温かい気持ちになれる作品になったと思いました。
でも最初に試写を見たときの率直な感想は、あるシーンで登場する“魚”が想像以上に大きくて驚きました(笑)。
大沢:撮影しているときは、台本を読んでいるからどういう人が出てくるかとか、登場人物のことを分かっていたつもりだったけど、映画で見たらみんな不思議で、みんなかわいかったです。
綾瀬はるか(あやせ・はるか)さんのプロフィール
1985年3月24日生まれ。広島県出身。2000年デビュー。主な出演映画『僕の彼女はサイボーグ』『ザ・マジックアワー』『ICHI』『ハッピーフライト』(いずれも2008年)で第20回山路ふみ子映画賞新人女優賞、第21回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞。2009年『おっぱいバレー』で第52回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞。2015年『海街diary』で第70回毎日映画コンクール女優主演賞、第37回ヨコハマ映画祭主演女優賞などを受賞。近作は『はい、泳げません』(2022)『レジェンド&バタフライ』『リボルバー・リリー』(いずれも2023)。大沢一菜(おおさわ・かな)さんのプロフィール
2011年6月16日生まれ。東京都出身。2022年『こちらあみ子』で映画デビュー。本作で第36回高崎映画祭最優秀新人俳優賞を受賞。その後、ドラマ『姪のメイ』(2023/テレビ東京)ではタイトルロールのメイで主演。配信ドラマ『季節のない街』(2023年/Disney +STAR)など。またRM(BTS)のMVにも出演するなど、世界中から多くの注目を集めている。『ルート29』2024年11月8日より全国ロードショー
鳥取の町で掃除員として働いている中井のり子(綾瀬はるか)は、掃除の仕事で入った精神病院の患者・理映子(市川実日子)から「もうじき私は死にます」と話しかけられ、姫路にいる娘のハル(大沢一菜)を連れて来てほしいと頼まれます。のり子は衝動的に掃除会社のワゴン車を盗んで姫路へ向かい、渡された写真をもとに、森の中でハルを見つけ出します。そこからのり子とハルは国道29号線をたどりながら、鳥取を目指すのですが……。監督・脚本:森井勇佑
原作:中尾太一『ルート29、解放』(書肆子午線刊)
出演:綾瀬はるか、大沢一菜、伊佐山ひろ子、高良健吾、原田琥之佑、大西力、松浦伸也、河井青葉、渡辺美佐子、市川実日子
撮影・取材・文:斎藤香