映画

実写化ドラマ『龍が如く』の竹内涼真と河合優実が挑戦した、人気ゲームのキャラに「血を通わす役作り」

Amazon Original ドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』に出演している竹内涼真さんと河合優実さんにインタビュー。撮影の裏側、共演について、そして好きな映画のことも語っていただきました。※サムネイル写真:Kaori Saito(All About)

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

竹内涼真、河合優実

Photo:Kaori Saito(All About)

セガの大ヒットゲームシリーズ『龍が如く』を原作としたAmazon Original ドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』(以下、『龍が如く』)は、歓楽街・神室町を舞台に、“堂島の龍”に憧れる主人公・桐生一馬の成長物語をオリジナル脚本で描いたクライム・サスペンスアクション作品です。

幼い頃から養護施設で一緒に育った仲間たちと規律に縛られた暮らしから新しい世界へ飛び出そうと、ゲームセンター襲撃事件を起こす一馬たち。しかし、彼らはヤクザから落とし前をつけるよう迫られ裏社会に落ちていく……。

主人公の桐生一馬を演じるのは竹内涼真さん。養護施設で育った仲間の一人、澤村由美を演じるのが河合優実さん。まずは共演の印象についてお話を聞きました。
 

「それはもう本気過ぎるほど本気で……」

――お二人は『龍が如く』で初共演ですよね。お芝居を一緒にしてみていかがでしたか? 共演の感想を教えてください。
 
竹内涼真さん(以下、竹内):『龍が如く』のような極道の世界を描く作品の中で、女性が存在感を示すためにはかなり心が強くないと飲み込まれてしまうと思うんです。でも、河合さんは男性たちより存在感が強かった。「絶対に負けない!」という強い気持ちを感じたし、硬派な女性だと思いました。
 
その一方で、河合さんの奥底に眠る“面白いことが好き”という茶目っけがありそうな一面が垣間見られて、僕としてはうれしかったです。
「龍が如く」

(C)2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.

河合優実(以下、河合さん):確かに「強くなければいけない」という気持ちはありました。竹内さんをはじめ、共演者の方たちは私にとっては大先輩なので、かなり気を張って撮影に入ったんです。

でも竹内さんはそれまで抱いていたプレッシャーをほぐしてくれるような空気をまとった方でした。座長として明るくいてくださったし、撮影ではずっと真っすぐに桐生として存在していました。その背中はすごい迫力で、それはもう本気過ぎるほど本気で……。
 
竹内:そんなにすごかった(笑)?
 
河合:はい。でもだからこそ、撮影現場も竹内さんの演じる桐生一馬を中心に動いていたんだと思います。ずっとそういう竹内さんを見てきたので、取材でお会いする竹内さんの柔らかい感じは少し新鮮です。
 

武監督との最初の仕事は二人とも出番があまりなかった!?

――『龍が如く』は武正晴監督作品ですが、竹内さんは『イン・ザ・ヒーロー』、河合さんは『アンダードッグ』で武監督とお仕事していますね。久しぶりの武組の現場はいかがでしたか?
 
竹内
:僕は『イン・ザ・ヒーロー』にはポイントの役だったんですよね。
 
河合:私も少ししか出ていないんです。ほとんど武監督と言葉を交わしていないと思います。
「龍が如く」

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――お二人にそんな時代があったとは……。ではこの作品で本格的に武監督の演出を受けたのですね。
 
竹内
:そうですね。武監督の作品に出演するのは10年ぶりくらいなので、呼んでいただけてうれしかったです。改めて武監督の演出を真正面から受けて感じたのは、10年間頑張らないとたどり着けない場所なんだということですね。
 
あれほど細部まで神経を尖らせて演出をする監督だったので、演じるほうも命を懸けるくらいの気持ちでぶつかっていかないとダメだと思いました。監督のエネルギーがすごいので、受け身でいると飲み込まれてしまうような気持ちになるんです。あと、武監督には独特な言葉のニュアンスがあるんですよ。
 
河合:それは私も感じました。出演が決まったとき、武監督が私に今回の『龍が如く』で描きたい世界と撮影に臨む気持ちをマシンガントークで伝えてくださって、つかめたものがありました。でも現場での演出はとても繊細で、由美の心情の変遷や芝居の出力の仕方まで丁寧にお話ししてくださって。そのワード一つひとつが印象的でした。
 
竹内:武監督は話し出すと止まらないから(笑)。僕は、自分自身の役への取り組みにと、武監督の演出を受けて演じることがとても面白かったですね。
 
河合:自分にも他人にも厳しい方なのですが、ご自身が映画業界で経験してきたこと、学んできたことなどを、若い俳優やスタッフたちに伝えていかなくては……という意思を強く感じました。そういう部分を尊敬していますし、一緒にお仕事できて良かったです。

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