人間関係

共働き1200万世帯でも女性の正規雇用は4割…45歳パート勤務「あのとき仕事を辞めなければ」

子どもができたときに会社勤めを辞めて以来15年、専業主婦を続けてきた。約10歳年上の夫は50歳になると出向が決まり収入減。家事代行のパートにでて、自分の家の家事は手を抜くことに。「あのまま仕事を続けていたら」と後悔をする日々だ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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なぜあのとき仕事を辞めてしまったのだろう……

なぜあのとき仕事を辞めてしまったのだろう……

夫婦共働きが2023年に1200万世帯を超え、専業主婦世帯のおよそ3倍になったという。だが、夫婦ともに正規雇用はそのうち4割程度。保育所の整備やテレワークの普及、また育児休暇の充実などが背景にあるといわれているが、実際には「妻もパート等で働かないと、家計がたちゆかない」のが現状ではないだろうか。 

45歳「正規雇用でいればよかった」

「妊娠がわかったとき、つわりがひどかったせいもあったし、子どものために家にいてあげたいなんて思ってしまったがために仕事を辞めちゃったんですよね。それは後悔しています」

ルリさん(45歳)はそう話す。30歳で結婚、すぐに妊娠したが、つわりだけでなく周りの目も気になったという。

「妊娠しているとわかったとたん、やけに労ってくる人がいたりして。『その仕事はいいよ、やっておくから』といって私から仕事を取り上げる人、あるいは毎日『気をつけてよ、転ばないでよ』と言う先輩女性などなど、なんだかそういう扱いに疲れたのもありました。妊娠すると退職する人たちが多かったせいもあるんでしょうけど、もうちょっと普通に扱ってよと思っていました」

夫に愚痴を言うと、「辞めてもいいんじゃない?」と一言。夫はもともと彼女が専業主婦になることを望んでいた。9歳年上だから、すでにそれなりの収入があったのだ。結局、彼女は安定期に入るとほぼ同時期に退職した。

「3年後にもうひとり産んで、30代はほぼ子育てに費やしました。子どもたちのために離乳食からおやつ、食事にいたるまで、全部手作りしましたね。その裏には、手作りしたほうが安いというのもありましたけど。結局、育児や家事って、時間をかけるかお金をかけるかのどちらかになるんだなと思った記憶があります」

30代は子育てに費やし、40歳で焦りを感じた

毎日、手作りの夕食が待っている。夫は喜んでいたが、小学生になった子どもたちはファストフードや市販のピザなどを食べたがる。ルリさんはピザシートや餃子の皮まで手作りだったのだ。

「40歳になったとき、たまたま高校時代、仲のよかったグループで久々に集まろうということになったんです。5人のうち専業主婦は私だけ。あとの2人はパート主婦、ひとりは未婚でバリバリ働いている、ひとりは共働き子ありのバリキャリ。いろいろな立場がいたけど、私ももっと働いていればよかったと痛切に思いました」

すでに子どもたちはそれほど手がかからない。実は夫の実家も近いから、頼めば応援してくれたはずだ。環境が整っていたのに仕事を辞めたのは間違いだったと感じたという。

>追い打ちをかけるように、夫の収入が減った
 
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