子宮の病気

Q. 50代で生理が再開。閉経後ですが、体や細胞が若返った証拠でしょうか?

【産婦人科医が回答】閉経後に月経が再開することはあるのでしょうか? 閉経前後は月経周期が乱れることがありますが、閉経後の不正出血には注意が必要です。考えられる病気の中でも、特に早めの受診を要する「子宮体がん」について、解説します。

清水 なほみ

執筆者:清水 なほみ

産婦人科医 / 女性の病気ガイド

Q. 閉経後の50代ですが、最近出血があります。生理が再開したのでしょうか?

悩む女性

完全に閉経したと思っていたら、生理が再開?


Q. 「昨年閉経したと思っていたのですが、最近また出血があります。今51歳です。体質改善のために、最近は体にいい食事や運動習慣をがんばって取り入れていたのですが、生理が再開したのでしょうか? 一緒にヨガをしている友人は、『体や細胞が若返ると、生理が再開することがある』と言うのですが、このまま様子を見ていいですか?」
 

A. 子宮体がんなどの病気の可能性もあります。放置せずに病院受診を

「閉経したのに生理が戻った」と話す方はたまにいらっしゃいますが、まず原則として、閉経後も不正出血があった場合は放置してはいけません。たしかに、閉経前後は月経周期が不規則になったり、閉経したと思っても実はまだ閉経しておらず、月経があることがありますが、自己判断は禁物です。

不正出血が起こる病気にはさまざまなものがありますが、「子宮体がん」もその一つで、閉経後に多いのが特徴です。子宮内膜の細胞ががん化することで起こり、好発年齢は40~50代の閉経前後です。最も大きな原因として、女性ホルモンのバランスの変化が挙げられます。卵巣から出される2種類の女性ホルモンである「エストロゲン」が、同じ女性ホルモンである「プロゲステロン」よりも過剰に働くことで、子宮内膜の細胞が増えすぎてしまい、それによって、がんになりやすくなると考えられています。

閉経前後に加え、以下の項目に当てはまる場合も、子宮体がんのリスクが高まります。
  • 妊娠・出産経験がない
  • 多嚢胞性卵巣症候群で月経不順
  • 閉経が遅い
  • 乳がんのホルモン治療を受けている
  • 更年期治療でホルモンを1種類のみ補っている
  • 肥満
子宮体がんの自覚症状として、最も多いものが「不正出血」ですので、「閉経後なのに不正出血が続く」「閉経したのに生理が再開した」という方は、特に注意が必要です。

「閉経後に、健康的な生活をしたことで細胞が若返り、生理が再開する」といったことは、医学的には考えにくいことですので、自覚症状がある場合は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

さらに詳しく知りたい方は、「子宮体がんの初期症状・診断法…閉経前後に多い女性の病気」をあわせてご覧ください。
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