Q. 「アサリやハマグリには有毒なものがある」って本当でしょうか?
潮干狩りやスーパーでもおなじみのアサリ。「有毒なものがある」って本当?
A. 「貝毒」という現象で、もともとは毒がない貝が有毒になることがあります
潮干狩りを含め、スーパーなどでも一般的なアサリやハマグリ、ホタテ、カキなどの二枚貝は、本来は毒を持たない安全な貝です。いわゆる「毒キノコ」のようにもともと有毒なものではないので、潮干狩りで自分で獲って、食材にする楽しみもありますね。しかしこれらの貝は、時期や場所によっては有毒になることがあります。「貝毒」とは、有毒な植物プランクトンを貝が餌として食べることで、貝の中に毒が蓄積してしまう現象です。これらの貝は有毒になってしまうため、食べると食中毒の症状が引き起こされることがあります。
日本国内では、貝類による食中毒を防止するために、定期的に有毒プランクトンの出現を監視していますし、あわせて貝類自体の毒性値も測定しています。もし規制値を超える貝が見つかった場合は出荷が規制されるため、貝毒で救急搬送される人はそれほど多くはありません。
もし潮干狩りで獲った貝やスーパーで購入した貝を食べた後に、下痢や吐き気、腹痛などの症状が起こった場合は、貝毒による食中毒も疑いましょう。貝に蓄積した毒の種類によっては、唇や舌などがしびれたり、呼吸が苦しくなったりするものもあります。ただの軽い消化器症状でなさそうな場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
過度に心配し過ぎる必要はありませんが、貝毒の毒は一般的な調理加熱では分解されないことが多いです。一番は、毒化した貝を食べないことですが、見た目ではわかりません。スーパーなどで流通しているものは、一定の安全確認がされています。潮干狩りに行く場合は、事前に貝毒の発生報告がないかを「自治体名 貝毒」で検索するなどして、確認しましょう。貝毒について調査報告などが確認できない海での潮干狩りを控えることも、予防のためには大切です。
貝毒についてさらに詳しく知りたい方は、「貝毒の症状は?アサリ・ハマグリ・ホタテの食中毒リスク」をあわせてご覧ください。