郵便料金が改訂となりました
2024年10月より郵便料金が値上げされ、はがきは現行の63円が85円に、封書は現在25g以下が84円、50g以下は94円と重量により料金が決まりますが、統一された上で110円となりました。 はがきについては2017年の52円から62円への値上げののち、2019年の消費税増税で現行の63円となりましたので約7年ぶりの改定です。しかし封書は、消費税増税での改定を除き、1994年以来実に30年ぶりの改定となります。封書が30年値上げされなかった理由は?
はがきは数年前にも改訂されているのに、封書はなぜ30年も値上げされなかったのでしょうか。その理由は、25g以内の定形郵便物(*1)は国民の負担や物価を考慮し、上限額は84円と郵便法(23条)に規定されていることにあります。そのため現行84円の封書を値上げするには、郵便法を改正する必要がありました。改正案は2024年3月7日に総務相の諮問機関である郵政行政審議会で承認され、2024年10月より封書を含めた郵便料金の値上げが行われました。
*1:定形郵便物とは、縦23.5cm、横12cm、厚さ1cm、重さ50gまでの郵便物を指します
値上げの背景には郵政事業の不振があります
今回の郵便料金値上げの背景には、日本郵便株式会社の郵便事業の不振があります。2022年度の郵便事業の営業損益は「▲211億円」と、郵政民営化以降初めての赤字であったと報告されています。その大きな要因は郵便物の取り扱い数の減少であり、2022年度は144億通と2013年度の186億通に比べ約22.6%も減少しています。 昨今の若者を中心としたSNSの活用や「年賀状じまい」の風潮もあり、今後も郵便物の取り扱い数減少は続くと考えられます。まとめ
今回は2024年10月からの郵便料金の改定について解説いたしました。はがき・封書が全国のどの地域にも同じ料金で届く、郵便料金の全国均一制度は1873年(明治6年)に始まったとされており、現在も重要な社会インフラといっても過言ではありません。今回の料金改定が制度を維持するためのものだと考えれば、納得もいくのではないでしょうか。〈参考〉
・総務省
・JP 日本郵便