人間関係

超几帳面な「実母」と適当すぎる「義母」が大親友に…人生を変えるような出会いのエピソード(2ページ目)

几帳面な実母、一方義母はおおらか。パートナーとの結婚を考えたとき、母親同士の相性に不安を感じていたと、40代女性は振り返る。ところが……、現実は意外な方向に転がっていくことに。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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実母は義母を悪く言っていたのに

母が明るくたのしそうなのが何よりだと思う 

性格が正反対の実母と義母は、きっと険悪な関係になると思っていた 

「案の定、実母は義母を悪く言っていましたね。ところが子どもが産まれて、私が忙しいときにふたりが来てくれるようになった。顔を合わせなくていいように、今日は実母、明日は義母と連絡していたんですが、義母が間違ってきてくれた日があったみたい。そのときふたりでうちで話し込んだ。それ以来、実母はすっかり義母のファンになってしまったんです」

義母は多趣味で友だちも多い。実母は几帳面すぎて友人を作るのが下手。義母はそんな実母の性格を見抜いて、「今度、私がやっている陶芸に一緒に行かない?」と誘ってくれたのだという。実は陶器が大好きな母は、その義母の誘いに乗った。

「珍しいですよ。母が人の誘いに乗るなんて。しかも行ってみたら、ものすごく楽しかったらしい。義母がフォローしてくれるから、あっという間に友だちもできたみたいで。たぶん、母は自分を守るために厚い殻を張り巡らせるタイプなんです。それをあっさり溶かしてくれたのが義母だったんでしょう」

実母と義母がつるみ始めた……!

それ以来、ふたりはよく「つるんで」遊びに行くようになった。さらに母は、ひとりでも自分の地域のイベントなどに参加することが増え、何十年も住んでいながらようやく近所に友だちができた。

「昨年春、ふたりに呼び出されたんです。どうしたのかと思ったら、『私たち、共同でお墓を買ったの』って。びっくりしましたよ。夫と一緒の墓には入りたくないと意見が一致して、ふたりで墓を買ったんですって。そんなに遠くない場所で、景色もいいところだし、誰もお参りに来てくれなくてもふたりで一緒だと思えば楽しいわと。それぞれの夫に話したら、実父も義父も苦笑していたそうです」

ふたりともまだ70代だが、行く末が決まったことで安心したのだろう。パートを続ける義母に触発されて、専業主婦歴の長い母が今ではパートで仕事をしているという。

「うちの父なんか、ババツインズが今日も暴れてるなんて笑っていますが、母が明るくなったことには心から感謝しているみたい。私もとてもうれしいです。ふたりで遊んでくれるから実母はほとんど私に関心がなくなった。私の心も安定しています」

口うるさくて、結婚後も干渉してくる母に辟易としていた時期もあったが、母は自らの楽しみを見つけたことで自立していった。

「あなたのお義母さんはたいした人だわと夫に言ったら、『オレに輪をかけたテキトー人間なだけ。中学時代、親としての自覚がないっておふくろに説教したことがある』と。いかにも義母らしいと笑ってしまいました。夫と結婚していちばんよかったのは義母と知り合えたことかもしれないと言うと、夫は複雑な顔をしていましたけど」

自然と周りを変える力がある義母を、彼女は心から敬愛しているそうだ。これもまた、縁なのだろう。
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