佐久間さんのブラックホールのような目に言葉を失いました
――佐久間さんと金子さんと共演した印象は?土屋:おふたりとも背筋が寒くなるほどの異様さと心が張り裂けそうなほどの切なさを表現されていて、本当にすごかったです。
佐久間さんは、音楽番組でご一緒したときの印象からは想像がつかない、“ブラックホールのような目”に言葉を失いました。でも、すごく冷たい目なのに、どこか守りたくなるような目でもあって、吐夢は佐久間さんだからこそ生み出すことができた人物だと思います。
金子さんは、出演作の『クローズZERO II』(2009)がもともと大好きで、子どもの頃に何度もDVDを見ていました。私が俳優になってから『花子とアン』(2014)『今際の国のアリス』(2020)でご一緒し、どの作品も全然違う金子さんで圧倒されました。今回はすごくつらい場面で、輪花と心が通う瞬間を感じさせる演技をされていて……。それが本当に印象的でした。
――この作品で新たな挑戦はありましたか︖
土屋:演技では自分と全く違う人を生きるので、毎回、新たな挑戦なのですが、今回は輪花の職業がウェディングプランナー。私にとってのウェディングプランナーといえば、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(2017)に出演したときに出会った、幸せを心から願うプランナーの方々の印象が強く、その印象を自分でひっくり返さなければなりませんでした。その感覚がとても難しかったです。
表現での新しい挑戦という点では、「叫び声」に情報量をどれだけ込めるか……ということを意識しました。ホラーやサスペンスというジャンルにはスクリームクイーンという言葉がありますが、確かに叫び声は人の気持ちを揺さぶると思うので挑戦しようと思って。とても難しかったのですが、ベストを尽くしました。
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