名古屋の観光・旅行/名古屋の珍スポット

“東海珍名所の父”・浅野祥雲スポット巡り

名古屋周辺の珍スポットを語る上で避けては通れないコンクリート造形師・浅野祥雲。自称「日本唯一の浅野祥雲評論家」である大竹がお届けする、祥雲さんゆかりの珍スポット・ガイド!

大竹 敏之

執筆者:大竹 敏之

名古屋ガイド

『タモリ倶楽部』でも特集が組まれ
ひそかに注目度上昇中の幻の人形師

あの超マニアックな深夜番組『タモリ倶楽部』でも特集が組まれ(※)、ひそかに注目度が高まっている幻のコンクリート造形師、故・浅野祥雲(あさの しょううん)さん。
説明
東海地方に数々のコンクリート像スポットを残した“幻の人形師”故・浅野祥雲さん


B級スポットマニアの間ではかねてより最重要人物の1人としてリスペクトを受けていた知る人ぞ知る存在ですが、最近、メディアでの露出度も徐々に増えてきました(実は、せっせと露出させているのは筆者本人だったりするのですが)。

(※ 「偉大なる造型家 浅野祥雲 没後30周年記念 大回顧展!!」。ガイド・大竹は「浅野祥雲評論家」として出演。関東地区は2008年12月12日、地元・東海地区では2009年1月17日オンエア)

祥雲さんは、昭和初期から40年代にかけて、無数のコンクリート人形を制作。2m近い像が数十体、数百体と林立する施設も数々あり、等身大ジオラマパークという独特の作風を確立しました。

名古屋住まいだったため、その作品が見られるのはほとんどが愛知県を中心とする東海地方。当サイトでは、これまでもこそこそと祥雲さんスポットを取り上げてきましたが、今回は主要施設をまとめてご紹介します! ちょっと変わった名古屋(周辺)観光を楽しみたい方、安上がりに他にはないアート鑑賞をしたい方は、是非とも足を運んでみてください!!

【キング・オブ・“アサショー”絵巻
~関ケ原ウォーランド (岐阜県関ケ原町)】

野っぱらに202体の戦国武将像が立ち尽くす
キッチュで迫力満点の等身大ジオラマパーク

浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」
天下分け目の関ケ原が等身大コンクリート像によって現代によみがえる!
アサショー(byみうらじゅん)こと浅野祥雲作品の特殊性を端的に現す3要素が「デカい」「カラフル」「たくさん」。この特色を余すところなく堪能できるスポットがここ、関ケ原ウォーランドです。
浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」2
あっちでもこっちでもコンクリートの武将たちが血で血を洗う合戦をくり広げる
関ケ原の合戦を実物大の人形によって再現する、というコンセプトによって昭和47年にオープン。野球場ほどの広さの野っぱらに、実に202体もの武将像がびっしりと立ち並びます。そのすべてを手がけたのが、我らが(?)祥雲さんなのです。

実物大と便宜上言っていますが、人形たちの大きさはそれぞれ2m近く。武将たちの荒ぶる姿を形にしているうちに勢いあまってデカくなっちゃったのでしょう。このビミョ~にノーマルからハズれたサイズからも、祥雲さんの怒涛の創作エネルギーが伝わってきます。
浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」3
迫力ある造形の数々。馬を雲に乗せることで疾駆する躍動感を表現

浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」4
人形と同じポーズで記念撮影するのは定番の楽しみ方
カラフルな彩色は、普通の彫刻作品とは一線を画したキッチュな魅力を生み出しています。同園は数年に一度塗り直しをしていて、B級と呼ばれるゆえんとなっているマンガちっくな表情は、おそらくこの塗り直しのくり返しの中で形成されていったのだと思われます。しかし、そんなテイストもまたレトロでゆるい昭和の観光地ならでは。作者・祥雲さんと、歴代ウォーランドのスタッフによって作り上げられたモンドな味わいとなっているのです。

 

実在の武将たちを再現
戦国マニアは名札にも注目

武将像は、一体一体、表情はもちろん、ポーズまでもがバラエティ豊かでなおかつ躍動的。しかも、そのほとんどがちゃんと合戦に参加した主要な武将をモデルに作られていて、鎧カブトなどの衣装は史実に基づいて作られているのです。家康をはじめ、石田三成、山内一豊などの姿も。なぜか関ケ原の合戦とは関係のない武田信玄(の亡霊)もいて「ノーモア関が原の合戦じゃー」などと叫んでいるのもまたご愛嬌です。
浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」5
 
浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」6
 


浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」7
 
浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」8
 


浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」9
 
浅野祥雲「関ケ原ウォーランド」10
 



この他にも、西軍東軍にくみした武将たちはほぼもれなく勢ぞろいのオールスターキャスト。このところ急増中の武将ギャルたちの間では“家臣萌え”がトレンドらしいですから、お気に入りの家臣像を探して回るのも、ウォーランドをよりディープに楽しむ方法のひとつじゃないでしょうか。

祥雲さんが同園の202体の作品を作ったのは70歳を越えてから。昭和53年に87歳で亡くなった巨匠による、最後にして最大の作品群をとくとご覧下さい。

□ 関ケ原ウォーランド
・ 所在地:岐阜県不破郡関ケ原町170-1-6
・ アクセス:名神高速関ケ原ICより車で5分(名古屋中心部から約1時間)
・ TEL:0584・43・0302
・ 営業時間:9時~17時(冬期は10時~16時)
・ 休み:年末年始
・ 料金:大人700円、小人400円、幼児200円
Yahoo地図情報

□1ページ・・・武将像が200余体! 「関ケ原ウォーランド」
□2ページ・・・お坊さん人形がズラリ! 「五色園」
□3ページ・・・桃太郎伝説に珍事実? 「桃太郎神社」
□4ページ・・・ジャンボサイズにびっくり! 「大弘法シリーズ」
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