Q. 「こたつで眠ると死ぬ」って本当ですか?
こたつで眠るのは危険? その真偽と、本当に注意すべきこととは
温かいこたつに入ると、つい、うとうととまどろんでしまうということもあると思いますが、体に危険はないでしょうか? わかりやすく解説します。
Q. 「こたつに入ると、ついうとうとしてしまうのですが、『こたつで寝ると風邪をひく』『突然死することがある』といった話を聞いて、不安な気持ちもあります。こたつで眠るのは危険なことなのでしょうか?」
A. 「入浴中の死亡リスク」と似た話で、怖がりすぎる必要はありません
こたつと健康に関しては、都市伝説のような話もよく耳にします。まず一番心配されているであろう「こたつと死亡リスク」についてですが、たしかに、こたつでぐっすりと眠りこんでしまって、たくさん汗をかいて脱水状態になると、血液中の水分が減って血栓ができやすくなります。結果として、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性が上がることを考えると、「こたつで眠ると命にかかわる」ということもできるかもしれません。しかしこれは、入浴中の心筋梗塞などと似た話です。入浴中に汗をかいて心筋梗塞を起こす危険は「ゼロ」ではありませんが、「入浴は死亡リスクがあり、危険だ」とはならないでしょう。こたつの死亡リスクもそれと同等のことです。もちろん注意するに越したことはありませんが、日常的に健康な人が使う分には、そこまで怖がりすぎなくても大丈夫です。
風邪については、寒い部屋とこたつの中の温度変化などで、人によっては自律神経が乱れる可能性もあります。結果として風邪を引きやすくなることもあるかもしれませんが、個人差が大きいと思われます。
医学的に考えると、実際によく起こっている事例でこたつで注意すべきことは「低温やけど」「脱水」「事故」の3つでしょう。特に乳幼児やお年寄り、また飲酒後の眠り込みなどは、低温やけどのリスクが上がります。また、小さな子どもの場合は、こたつの天板の落下や、コードでのつまづき、こたつ布団をかぶってしまう危険性に注意が必要です。
「命の危険」を考えるのであれば、こたつが原因の住宅火災は大変危険ですし、実際に毎年起きているので、十分に注意する必要があります。これらの実際に注意すべきポイントを少し意識して、こたつのある生活を楽しむのがいいのではないでしょうか。