姉への妬みが、夫へのモラハラに
「それで話してみたら、結局、私への怒りだったみたい。うちの夫は、そこそこ有名企業に勤めているんです。私は妹より勉強もスポーツもできなかったけど、結婚して子どももふたりいて、夫は優しい。それが妹には許せなかったらしい。子どもはふたりほしかったのにひとりしかできなかったし、夫のサラリーは思ったようには上がらない。自分が仕事を続けていれば、もっといい生活ができたはずなのに、妊娠中に体を壊した上、生まれた子の体が弱かったので仕事を辞めざるを得なかった。姉の私に比べて、自分だけが運が悪い。だから姉がずるい、憎い。そうなったみたいです。でも私には言えないから、夫をいびっていた……。妹がそんなふうに思っていたのが私はショックで」
一緒に聞いてくれた夫も衝撃を受けたようだった。仲のいい姉妹だと思っていたのにと肩を落とした。
年齢の近い姉妹ならではの確執
「結局、義弟が会社に頼んで転勤を申し出て、妹一家は秋に越していきました。ときどき義弟から連絡がありますが、妹は私と離れて落ち着いたみたいです。一方的に恨みをためていた妹もつらかったのかもしれません」ただ、ノリコさんは今もショックから脱することができずにいる。年齢の近い姉妹だと仲がいいのが当たり前のように思われるかもしれないが、人に聞くと意外とこういう確執は多いようだとノリコさんは言う。
「もう少し年がいったとき、お互いの環境が変わって、また仲良くなれるといいんですが」
昔から「きょうだいは他人の始まり」というが、それは案外真理なのかもしれない。