島田佳奈の恋愛コラム

「月が綺麗ですね」は愛の告白なのか? 言われたときの返し方は?

夏目漱石が英語の「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したことから“愛の告白”とされているせりふ。「月が綺麗ですね」と言う人の心理や、言われたときの返し方や断り方について解説します。

島田 佳奈

執筆者:島田 佳奈

恋愛ガイド

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「月が綺麗ですね」と言われたら……どう返すのが正解?

「月が綺麗ですね」と言われたら……どう返すのが正解?

古今東西、男性は意外とロマンチスト。かの夏目漱石が英語の「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したように、分かりにくく間接的な愛の告白とも受け取れそうなせりふを言われたら、どう応えるのが正解でしょうか。
<目次>

「月が綺麗ですね」は愛の告白?

夏目漱石が英語の「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したというエピソード(※)があります。「なんてロマンチスト!」と思う人もいるでしょう。
※福田眞人『明治翻訳語のおもしろさ』記載との説があるが、正確な出典は不明

しかし実際、ほんのり恋心を抱く男性からそのようなせりふを言われても、果たしてそれが愛の告白だと気付くことができるでしょうか。筆者は現実を生きるリアリストなので「そんな回りくどい表現じゃ分からないよ!」とクレームをつけると思います(笑)。

古今東西、男性は意外とロマンチスト。漱石に限らず「好き」という感情を直接的な言葉ではなく、分かりにくい暗喩で相手に伝えようとする男性は今も多数いることでしょう。メロディに乗せて切ない感情を歌うミュージシャンも、相手に直接言わないという意味では類似ではないかと筆者は考えます。

「月が綺麗ですね」を愛の告白だと解釈する人は、ほとんどいないはず。では同じように曖昧な、告白とも受け取れそうなせりふを男性から言われたら、どのようなリアクションを取ればいいのでしょうか。
 

[月が綺麗ですね」と言われたときの返し方は?

告白はストレートであればあるほど相手に伝わります。なのになぜ不可解なたとえ話や想像力を駆使させるようなせりふを用いるのかといえば、理由は1つ。「好きな相手に嫌われる」ことを恐れているからです。一度でも片思いを経験した人ならきっと分かるはず。

伝えたいこの思い、両思いで恋人になれれば、どんなに幸せか。だけど相手が同じように自分のことを好きなのかは分かりません。

片思いしている彼は、あなたの一挙手一投足から自分への「好き」を探しています。嫌われてはいないことは分かっても、あなたからの「好き」の兆しが見えなければ、告白する勇気は出ません。今より関係が悪くなるくらいなら「このままでいたほうがマシ」だからです。

ややこしい告白をしてきた相手の心情を理解したら、どう応えるかはあなた次第。
A:都合よく深読みし、進展が期待できるような言葉(や態度)を示す
B:あえて額面通りに受け取り、気づかなかったことにする

どちらか一方が正解なわけではありません。むしろどちらに転んだとしても、「気まずくならない」結果になったのならば、告白した張本人にしてみれば目的達成なのです。
 

曖昧な告白は、受け取らない「余地」がある

女性のあなたに質問です。分かりやすく「好きです」「僕とつきあってください」と告白されたら、あなたはどう思いますか?

少しでも「アリかも」な相手ならば、その告白をきっかけに恋愛感情を抱くかもしれません。元々両思いならば、天にも昇るほどうれしいでしょう。だけど、まったく(異性として)意識したこともなかった男性や、むしろ「ナシよりのナシ」な人だったならば、困ってしまうのではないでしょうか。

直球の告白はとても勇気のいること。その勇気だけは評価できても、相手の気持ちに応えられない場合、こちら側には「断る勇気」を強いられます。青天の霹靂(へきれき)、まるで隕石でも落ちたかのようなアクシデントなのに、申し訳なく思わされるという苦痛。もはやテロにでも遭ったかのような気分です。

いくら「ごめん」を重ねても、告白前の空気感は取り戻せません。そんな結末になるくらいなら、分かるか分からないか微妙なニュアンスで「好き」を伝えるくらいがいい。エゴとも受け取れる策士な告白は、受け取らなくても相手を傷つけません。曖昧という優しさは、断りたい相手であれば助かります。

だけど「私も好き」なときは、ちょっとモヤモヤしますよね。告白と解釈して合っているのか、もしかしたら(相手のことを好きなばかりに)都合よく解釈しただけで、勘違いなのではないか、って。
 

目には目を。曖昧には曖昧で

「好き」の告白なのか、ぜんぜん違う意味なのか。分かりにくければ勝手な解釈をされても仕方がないことは相手だって承知の上。

もしも筆者が誰かから曖昧な告白(とも受け取れるせりふ)を言われたら、まずは相手の目をじっと見つめてみます。それが本当に「告白」なのだとすれば、目を合わせれば目線を外すでしょう。

ストレートな告白をできないタイプの男性が、好きな相手と見つめあえるはずがありません。これで曖昧なせりふが「愛の告白」だったのかは判別可能。その上で「お断り」ならば、気づかなかったフリでスルーする優しさを発揮します。

(筆者が独身と仮定して)もしも両思いの相手だったならば、筆者は嬉しさをいったん飲み込みます。そんな大事な告白を、曖昧さでごまかしてほしくないですから。
「月が綺麗ですね」
「私とどちらが綺麗ですか?」
おそらく相手は、返答に困るはず(笑)。

曖昧には曖昧で返し、さらに混乱させる──このくらいの遊び心を持つのも、恋愛の醍醐味(だいごみ)です。楽しみましょう!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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