Q. 運用経験のある70代の親が新NISAに興味を持っています。ネット証券での運用をすすめるべきでしょうか
「現在、大手証券で個別株を運用している72歳の父親が、新NISAに興味を持っています。新NISAをするならネット証券だと思います。しかし、ネット証券だと気軽に取引ができてしまうため、あまりすすめたくありません。このような場合、大手証券会社での開設をすすめるべきでしょうか」(48歳/公務員/P.N.たかさん)運用経験のある70代の親にネット証券での運用をすすめるべき?
A. 「まずはお父さんの意向を聞いてみては」(深野さん)
基本的に大手証券会社であっても、ネット証券であっても、個別株であれば買える商品は変わりありません。ただ、売買手数料は違ってきますので、そのあたりをお父さんがどう思われるかですね。「今まで利用していて便利だから、少しくらいの手数料は目をつぶるよ」というのであれば、そのままでいいでしょう。「やっぱりもっと利益を大きくしたい」というのであれば、ネット証券にNISA口座を開設した方がいいと思います。
また、ネット証券だと気軽に取引ができてしまうことを心配されていますが、新NISAでは年間非課税で投資できる上限額が決まっています。もし今後も、お父さんが個別株を買い続けたい場合、新NISAで個別株を購入できるのは成長投資枠になります。
成長投資枠では、年間の非課税投資枠が240万円になります。上限が決まっているので、一応金額的に歯止めにはなります。あとは、この上限金額をどう考えるかでしょうか。
最後に一つ注意点として、すでに大手証券でNISA口座を開設していれば、自動的に新NISAの口座が開設されます。ですので、ネット証券に変更する場合は、一度大手証券会社のNISA口座を閉じてから、ネット証券に新NISAの口座開設手続きをしてください。
教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など