《かがやきパソコンスクール》
インストラクター 持田 祐子さん
持田さんがこちらに勤めるきっかけは?
●大学で手話を1年間勉強したのですが、手話の勉強と同時に、聴覚障害を持つ方々がこれまで社会的にどのような立場に立たされてきたか等も勉強していくうちに、パソコンを使えばもっと健聴者と対等な生活を送れるようになるんじゃないかなと考えるようになりました。そんな思いを持ちつつも、卒業後は一般の企業に就職したことから約半年間手話を使う場面がほとんどありませんでした。そんな時、たまたま昨年の8月に聴覚障害者への情報保障をした「かがやきパソコンスクール」がオープンすることを知りました。その瞬間、学生時代に持っていた「聴覚障害をもつ方々にパソコンを教えたい」という気持ちがむくむくと湧いてきて、「これだ!」と即決してしまったわけです。(笑)
いつからインストラクターとして?
●かがやきパソコンスクールに勤め始めた頃から、聴覚障害者の方々への気配りなどを叩き込まれながらレッスンのサポートを担当しておりましたので、スタートした時点から全力疾走のような毎日でした。ただ、自分の中でレッスンのサポートをするからにはお客さまのお手本としても資格を取っておいたほうがいいと日増しに強く思い始めましたので、今年の2月にパソコン検定のインストラクターの認定を受け、6月にMOTを取得しました。
特にパソコン検定インストラクター試験の時は、手話を使いながらインストしたところ、試験官からお褒めのお言葉を頂戴したのが、嬉しかった思い出です。
手話は難しいですか?
●私は、京都の大学で手話を習いました。その時に地域によって手話の表現が異なるということは聞いていたのですが、実際に東京のかがやきパソコンスクールへ移ってからお客様と手話を使って会話をすると「こんなに違ったんだ!」と思う場面もしばしばありました。でも、今では京都で教わった手話も東京の手話も両方知ることができたのは、ラッキーだと思っています。手話の違いは地域だけでなく、ご年配の方の手話と若い方の手話とも違いますし、手や指の動きだけでなく、顔の表情も豊かにしないとなかなか心が通じ合えません。この辺の気配りも大切なんだと思います。
先ほど、受講生に説明をしているときにダダダと打っていましたね。あれは説明をしていたのですか?
●そうですね。ワードの書式とスタイルについてご案内していました。このような場合は手話だけでなくすぐ隣でお手本をご覧いただきながら説明したほうがご理解していただき易いこともあります。必要に応じて文字や絵で説明することも多いです。
仕事をしていてうれしいことは何ですか?
●もちろん、試験に合格したという知らせをいただいた時や、お客様から「よくわかった!」「便利だなぁ!」「感激!!」というような感想をいただいたときがうれしいです。
特に思い出に残っているのは、地元聴覚障害者協会の会長をされているお客さまから、日頃手作業で切り貼りをしながら苦労して作成しておられただけに「協会の機関紙を作るのが楽になった。本当にありがとう。」と感謝の言葉を頂戴したときには、目がウルウルとしてしまいました。
では、逆に大変なことはなんですか?
●大変とまではいきませんが、手話の表現が一人ひとり異なっていてもきちんと読み取ることが必要だと常々思っています。そのためにはもっともっとたくさんの方と手話で会話をしたいですね。レッスンでは、その方に合った例題などを瞬時に判断しながらわかりやすく説明していくことが大切なんだと感じています。誰彼にも画一的なレッスンはしたくないですから。
ありがとうございました
持田さんとお話をしていて、表情豊かな話し方と自然と動いている手の動きを見て、私たちの通常の授業でもこんな表現ができたらどんなに授業が楽しくなるだろうと感じました。今回のお二人のインタビューから、《教える》ということをもう1度考えさせられましたね。
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