《かがやきパソコンスクール》
 開設者 益田 修さん

  (右写真は講演中)

昨年8月23日にこのスクールを始められたということですが、益田さんは以前はどんなお仕事をなさっていたのですか?

●NTTコミュニケーションズで主に電話料金の制度や決済方式に関わるスキーム作りに関わっておりました。NTT時代は本社の勤務が長かったので様々な情報を得ることができ、今もとても役にたっていると思います。

大手の会社を辞めてこのスクールを始めようと思ったきっかけは?

●多少なりとも体力の衰えを感じ始めた40歳を迎えて、今後どうやって歳をとっていこうかなと考えたのがきっかけです。
自分も聴覚障害者の一人ですので、何か同障みなさんのお役に立てることはないかと考えたんですね。
もちろん、どんな仕事でも誰かの役にはたっているのですが、自分自身が難聴のため社内の会議等で聞こえない不便さを体験していることもあり、全く聞こえない人はどれだけ苦労をされているのかと思うにつけ、情報弱者である聴覚障害者の方々のために頑張っていきたいと志を強くしてスクールを立ち上げました。
最近では、家庭のパソコン普及率は50%を超えていますし、インターネットも人口も増えていることから、とりわけ耳から情報が入らない聴覚障害者には、文字や画像で簡単に情報を得ることのできるインターネットを活用してハンデを感じさせない世界を楽しみ活用して欲しいと思っております。ただ、これまでは、聴覚障害者に対してボランティアや、地方自治体のIT講習会などで、最低限のパソコン操作を学べる環境はあっても、仕事に役立つようなその後の資格取得や、就職に活かせるほどの知識や技術を習得するだけの場が見つかりませんでした。それを私はなんとしてもお手伝いしたかったわけです。


見渡すと壁には、いろいろな資格を取得した方々の名前がたくさん貼ってあります。益田さんに伺うと、この1年で、資格取得者はタイピング検定6名、MOUS一般21名、MOUS上級9名、MOT3名!ということです。

お名前の右に地区名が書いてありますが、みなさん遠いところから通っているのですね。

●神奈川、八王子、近くは、足立区、春日部市のかたも入れば、大阪から通いで月2回くらいいらっしゃるかたもいます。

通いですか?日帰りで?

●泊まって次の日帰るという形ですね。
そんなに遠くからいらっしゃるのも、聴覚者障害者が健常者とともに資格まで取得できる勉強ができる場所は、日本でうちだけだからです。今来ている、あの男性は高知からです。今P検2級の勉強をされています。P検2級というとかなり高度で幅広い知識と技能が必要なので、対応してくれるスクールも少ないようです。


そんなにご要望があるスクールだと大手の企業からも参入したいというような話はないのですか?

●1社ありました。見学にもいらして、その後、開校しましたという挨拶はいただきましたが、現在どうなっているかはわかりません。でもデリケートな世界でもありますので、見よう見まねで参入しても成功させるのは難しいと思います。

では、益田さんが関西などにスクールを出すというお考えはありませんか?

●考えてはいるのですが人材がまだまだ足りません。例えば手話のとても上手なかたは、勿論います。パソコンのスキルのあるかたもたくさんいます。でも、両方できて、ちゃんと聴覚障害者と人として心を通わせられる人はなかなかいないのです。
私は自分がそうだから、気持ちがわかるのですが、なかなかわかりにくいことですからね。
いろいろな地域から、スクールを出してくださいとか、たまに来て教えてくださいと言われるのですが、なかなか無理なので、合宿を始めました。6日間の泊り込みです。こちらでスクールを増やしきれない部分を、お客さまに遠くから足を運んでいただいています。


その6日間でどの程度の力をつけられるものなのですか?

●だいたい、希望された資格を取得されていますよ。

そうですか。私のスクールでは、なかなか考えられないですね。それだけ真剣なのですね。時間とお金をかけてきているわけですものね。そしてそれが今後の自分の就職などに関係するとなると真剣にならざるを得ませんね。
現在、何人くらい来ているのでしょうか?

●開校してまだ1年ですが、約150人くらいですね。この他に合宿レッスンと通信講座の方もおられます。通学されている方のうち約85%が聴覚障害者で、あとの15%が健常者です。健常者のかたの多くは手話に興味のあるかたが多いですね。手話サークルなどで習っているけれど、普段手話を使う場面があまり無いので、聴覚障害者が集まる私のスクールへ来られるという方もおられます。障害者のかたとレッスン後に手話で歓談している場面は良く見るところです。

なごやかですね。

●お客さまにはイベントが好きな人が多くて、菖蒲の時期は水元公園に行ったり、普段も夜、飲みに行きましょうと誘われることも多くて、私も好きですからつい行っちゃうんですが。次は何をする?とせかされます。私は「先生」とは呼ばれるのは好きではないので、「益田さん、ちょっと来て」という感じで呼んでいただいています。私自身は教えるというよりも、ちょっと背中を押してあげる友人であり兄貴であり親父といった立場だと思っています。お客さまには、楽しい旅の世界をご案内する旅行の添乗員みたいなものだと言っております。

そんななごやかな雰囲気は、益田さんと話をしている横で大学生だという障害者のかたに説明をしている持田さんたちの様子を見ていてもよくわかりました。すごく楽しそう・・

最後に今後の展望をお聞かせください。

●近いところの動きとしては、大阪でも私たちの独特なレッスンを展開しようと考えています。
また、世の中の動きを見ていると、このまま3年も経つと基本的なパソコン操作を学ぼうとスクールに通う人は居なくなってくると思います。ITの進歩と共になくなると思っています。今までのパソコンスクールはあと2~3年の命かな。その頃には、ここももっと障害者のための総合的なビジネススクールなり、コンサルタント会社になっていると思います。開業時にはそれなりにマーケティングをやり、向こう5年くらいの長期ビジョンを立てましたが、今のところなんとか予定したとおりに進められているようです。


どうもありがとうございました。

インストラクターの持田さんにインタビュー