「さばけた元妻」の役に疲弊
娘に会うために家にも頻繁にやってくる夫にモヤッ
「元夫は離婚の原因となった彼女と、今もつきあっているんです。夫に、彼女だって元妻の私と頻繁に会っているのは嫌なんじゃないのと聞いたら、『あ、そういうの気にしないたちだから。よかったら今度、彼女も一緒に会おうか』と言い出したので、娘の前では絶対、その話をしないでよと怒りました。『オープンにつきあったほうがいいんじゃないかなあ』と夫が言ったとき、私、急に涙が止まらなくなった。離婚で泣いたことはなかったけど、いつまでもバカにされているような気がしたんです」
夫への「未練」ではないのかと尋ねると、彼女は大きく首を横に振った。未練ではないが、なにか説明しがたいモヤモヤした悔しさがあるのだという。
「離婚しても、元夫と仲良くしているさばけた妻を彼は求めていた。私も、そのほうが娘のためにもいいのかもしれないと乗ってしまった。そのことへの後悔はあります。娘はやはり両親が険悪になっているのは見たくないでしょうし。ただ、私はそういうさばけた女ではない。だから無理して疲れてしまったんだと思う」
元夫婦としての関係に“けじめ”をつけた
この夏休み、元夫と娘はふたり旅に出かけた。キャンプ体験をさせたいというので、リョウコさんがじゅうぶんに調べて、安全性重視で場所を決めた。本当はあまり管理されていない場所がよかったんだけどと言いつつも、元夫は絶対に無理はしない、24時間娘から目を離さないという約束を守ってくれた。「娘にとっては大きな経験だったようです。今後はこういうつきあいのほうがいいのかもしれない。私たち夫婦は修復できないのだから、娘とふたりで楽しむ時間こそ大事にしてと元夫に言ったら、『オレはリョウコにも会いたいんだけどなあ』って。たまにねと受け流しておきました。離婚したんだから、けじめはつけないと」
離婚したら完全に他人と割り切ることも大切なのかもしれないが、子どものためにコミュニケーションを継続させておくことも必要だ。険悪にならない関係はいいことでもある。ただ、リョウコさんが言うように「さばけた妻」を演出する義理はない。