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年収1000万円超の「防災意識」は?アンケート調査でわかった高所得者の「家選び」4つの視点

年収1000万円以上の方が家を選ぶ際に意識しているポイントとは? All About読者を対象にしたアンケート結果を紹介しながら、必要な備えについて考えます。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

昨今の自然災害の増加を受け、「自分の家を守るために何が必要か?」という問題に多くの人が真剣に向き合っています。今回は、All About読者へのアンケートから、年収1000万円以上の方が家を選ぶ際に意識しているポイントについてまとめました。

年収が高い人は「防災意識」も高いのか?

高所得者と防災意識

高所得者の防災意識は?

地震や台風などの自然災害が頻繁に発生する日本においては、防災意識の高さは命や財産を守る上で重要です。アンケート調査からわかった所得と防災意識の関係を紹介しましょう。
 
調査によれば、年収1000万円以上の高所得者は80%以上が「家を選ぶ際に防災を意識している」という結果が出ました。一方で、全回答者の平均は70%程度。さらに年収500万円以下の層では70%を下回っています。

「防災」と「コスト(家計)」は、ある意味で相反するものがあります。例えば、「耐震・耐火性能」。多くの高所得者はリスクマネジメントに一定のコストがかかり、家屋の「耐震・耐火性能」が必要であることを知っています。一方で、さほど重視していない世帯については、コストの面で、ほどほどのところで妥協せざるを得ないという実情があります。

次に、年収1000万円以上の高所得者が家を選ぶ際に注目しているポイントについて具体的に見ていきましょう。

高所得者の住宅選びに4つの「防災視点」

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水の危険は避けたいもの


視点1.「海抜」が低い土地を避け、浸水被害のリスクを減らす
まずは「立地選び」である程度避けることができる水害から。自然災害に対するリスクを減らすため、低い土地は避けるとの回答が多く見られました。また、戸建てでなければ2階以上、さらに電気が止まってエレベーターが動かない時に備え、階段で移動できる範囲で階を選ぶという考え方をしているようです。
 
「戸建てでなければ2階以上の鉄筋製、立地は海抜や過去に浸水被害がない地域を選択(女性/39歳)」「ハザードエリア、川、海辺は避ける。過去の水害履歴を確認する(女性/34歳)」「東京都内はどこも川が近く、意外に標高が低いため、海抜は確認する(女性/51歳)」などの読者の声があがりました。

視点2.「地盤」の硬さを確認し、地震のリスクに備える
地震が多い日本において、地盤は非常に重要です。地盤が弱い地域では、大きな地震が発生した際に家が傾いたり、最悪の場合は倒壊する可能性もあります。
 
「土地が盛り土かどうかを気にしていた(女性/50歳)」「地盤の硬い場所がよい(女性/41歳)」「耐震性のある硬い地盤(男性/53歳)」など地盤を気にする読者の声が多数みられました。
 
住宅購入の検討時に海抜を意識する、洪積層(古く硬い地盤)か、沖積層(新しく軟弱な地盤)かなど地盤の硬さを調べる、過去歴(過去に河川や沼、田んぼではなかったか、など)を調べることは必須です。できれば、ハザードマップでは分からない過去の災害発生時の被害状況なども把握しておくべきでしょう。
 
視点3.「アフターケア」が充実した会社の耐震性が高い住宅を選ぶ
自然災害は予期せぬタイミングで起きるもの。そのため、災害後の修復や再建などのアフターケアがしっかりとしている会社の住宅を選ぶという意見もありました。また、しっかりとした造りの家を選ぶことで、地震による倒壊などのリスクを低減することができます。
 
読者からは「災害時に被害を最小限に抑えられる住宅かどうか(男性/56歳)」「しっかりした造りの住宅を選ぶ。アフターケアがしっかりしている会社の住宅を選ぶ(女性/48歳)」「新耐震基準(※)の建物を選ぶ(女性/34歳)」「耐震が優れた家を建てる。強風にも耐える家(男性/60歳)」という声がありました。

※編集部註:1981年6月1日から施行され、震度6強~7程度の揺れで家屋が倒壊・崩壊しないことを基準にしている
 
視点4. 自宅だけではなく「周辺環境」にも注目
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最寄りの「避難所」は確認できていますか?

周囲の環境についても注目しているという回答も多く見られました。例えば、広域避難所やシェルターが近くにあると、災害時にすぐに避難することはできます。 また、ドラッグストアやコンビニなど、食料や日用品を手に入れることができる施設が近くにあると便利という意見も。
 
高所得者は、「広域避難所や大規模病院などが近くにあるかを調べたうえで購入しました(女性/47歳)」「公共のシェルターや集合場所が近くにあるか(男性/59歳)」「マンション近く(あるいは建物内)にドラッグストアやコンビニがあること(女性/60歳)」など、もしもの時に困らない周囲の環境を選んでいます。

確かに、避難所やシェルターへのアクセスがいいことは、リスクを下げることにはなります。一方、都市部の場合はその場所に住民が集中してしまうというリスクも頭に入れておかなければなりません。また、さまざまな店舗の利用もインフラや流通が動いていてこそなので、平常時に自身で備蓄をしておくことを忘れないように。

ほかにも「地名などから浸水被害を受けないか確認する(女性/51歳)」「水を連想する地名、きれいな地名は避ける(女性/52歳)」といった地名を重要視する声や、「隣家との距離、人通りの多さ、夜間の明るさ、死角のなさなどとともに、駅前の放置自転車も確認する(男性/62歳)」「避難所の確認と家族で近所の方との交流を深めております(男性/66歳)」などの近隣の環境を重要視する声。

さらには「周りが田んぼであること。地震が来ても田んぼに行けば助かる。治水できるので田んぼがあるところなら被害がまだ少なくていい(女性/50歳)」という意外な読者の声もありました。

「正しい情報」で判断することが大切

読者から寄せられた周辺環境についてのコメントには、間違った考えも見受けられます。

確かに地名は一定の参考にはなりますが、イメージの良い地名に変更されていることも多いので、自治体や図書館などが所蔵する古地図にある地名や災害史を調べる工夫が必要です。

また、家屋周辺の道路環境も被災時には大きく影響します。細い路地が入り組んだ、木造家屋が立ち並ぶ「木造密集地域」と呼ばれるエリアは、延焼火災の発生で大規模火災が発生する可能性があります。

さらに見逃せないのは、自治体が住民に対してどのような災害対策や広報活動を行っているか、ということ。公式WEBサイトに災害時の自治体の活動や避難場所、災害対策などが明確に記されているかどうかも1つの判断基準になります。
  
自然災害は突然起きるもの。しかし、事前の準備や意識の高さで、被害を最小限に抑えることができます。自分たちの生活を守るという観点からも、資産価値を守るという観点からも、防災意識を高めていくことが大切です。

【調査概要】
期間:2023年7月18日~2023年7月24日 
有効回答数:389人(20~76歳の男女) 
調査対象:All About読者
設問:住宅を購入するとき/借りるときに防災観点で意識することはありますか?
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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