Q. 4回目以降のコロナワクチンも受けるべきなのでしょうか?
4回目以降の新型コロナウイルスワクチン。受けるべきでしょうか?控えるべきでしょうか?
新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから、リアルタイムで感染者や死亡者が報じられなくなり、以前に比べてコロナへの関心は低くなっているかもしれません。一方で感染者増加の報告もあります。追加のワクチン接種については、どう考えるべきでしょうか?
Q. 「持病などはなく健康なのですが、4回目以降のコロナワクチンも受けた方がいいのでしょうか?」
A. ワクチン接種のメリット・デメリットを考えて、個々に判断しましょう
新型コロナウイルスワクチンの効果の持続性については、いまだ十分なデータがない状況です。少し専門的になりますが、ウイルスに対する免疫には「抗体」と「記憶T細胞」が関わっています。抗体の量は測定できますが、記憶T細胞の状態を調べる方法はありません。抗体量は、ワクチン接種後6カ月ほどで下がってくることがわかっています。もちろんウイルスが変異すると防御反応は下がりますから、抗体があれば十分な発症予防効果があるともいえません。新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから、流行状況がリアルタイムではわかりにくくなりました。加えて、海外からの感染者の入国も増えているでしょうから、感染拡大を早めに抑えることができない状況です。つまり、新型コロナウイルスに感染する可能性は、以前よりも高いと考えるべきでしょう。
それでは、4回目以降のワクチンについては、どうするのがいいのでしょうか? どのワクチンにも副反応のリスクはありますし、接種費用も現在は全額公費ですが、いずれ自己負担になる可能性もあります。効果と副反応とのバランスを考えて、個々で判断する必要があります。
もし持病などがあり、新型コロナウイルス感染症になると重症化するリスクがある人は、やはりワクチンを接種するメリットの方が大きいでしょう。しかし、重症化リスクが低い人や副反応が強く出る人にとっては、ワクチンの副反応のリスクがある分、デメリットの方が大きくなる可能性があります。持病などのない人が、4回目以降のコロナウイルスワクチンを接種するメリットは、感染した場合の発症予防や症状を軽くできる可能性があること、また、人への感染を減らせるということです。医療従事者など、職業によっては人に感染させないために接種が望ましいと思われるケースもあります。
ワクチン接種者や、すでに新型コロナウイルス感染症にかかった人が増えた分、以前に比べて重症者は減りました。しかし、全体の感染数が不明のため、死亡率が減っているとは言い切れない状況です。個々に判断して、必要に応じてワクチンを活用するのがいいでしょう。