Q. 夏場の薬の保管方法が知りたいです。全部、冷蔵庫に入れるべきですか?
高温多湿の日本の夏。薬の正しい保管方法は?
厳しい暑さが続くと、室温も高くなり、薬を部屋に出しっぱなしでいいのか気になる方もいるようです。夏場の薬の正しい保管方法について、解説します。
Q.「最近は夏が非常に暑く、薬を常温保存で部屋に出しっぱなしでいいのか不安です。高温で薬が変質して、効果がなくなったりしませんか? 粉薬などもすべて冷蔵庫に入れるべきでしょうか?」
A. 30度以上の夏場は工夫も大切です。薬は多様なので薬剤師に相談を
ほとんどの薬は、1~30度の室温で保管することを想定して作られています。したがって、室温が30度を越える夏場には、薬の保管場所にも配慮が必要です。だからといって、高温で変質してしまうかもしれないと気にしすぎて、何でも冷蔵庫で保管すればいいというものでもありません。在宅中なら、たいていのご家庭はエアコンなどで室温を調整されているでしょう。ご自分が快適に過ごせる場所に薬が置いてあれば、それで十分です。もし旅行などで家を空ける場合には、締め切った室内が30度を長時間超える可能性もありますが、一週間程度であればすぐに薬がだめになるということはありません。玄関先など、日が当たらない比較的涼しい場所に移動しておけば大丈夫です。
薬を冷蔵庫に入れてしまうと、逆に薬がだめになってしまうこともあります。とくに粉薬や錠剤、カプセル剤の場合、冷蔵庫から出し入れすることで、薬の表面が結露して湿気を帯びてしまいます。そうすると、薬の服用が難しくなったり、薬の劣化が進んだりすることもありますので、特に指示がない限りは冷蔵庫には入れず、室内のできるだけ乾燥した涼しいところで保管しましょう。
なお、シロップ剤や坐薬、目薬などの中には、もともと「冷所保存」と決められているものがあります。冷所は1~15度ですから、季節を問わず高温を避けるべきです。とくに夏場は、室内で15度以下を保つのは無理でしょうから、冷蔵庫で保管しましょう。おそらく薬を処方されるときにも、「冷蔵庫に入れて保管してください」との指示があるはずです。ただし、冷やしすぎてもだめなので、冷蔵庫中でも冷凍室やチルド室には入れないようにしてください。
薬にはさまざまな種類のものがあり、適した保管方法もそれぞれ異なります。保管の仕方に不安がある場合は、薬局の薬剤師に相談するようにしてください。