この記事では、X(旧Twitter)の「クリエイター広告収益分配プログラム」の参加条件や仕組みについて解説します。
X(旧Twitter)が広告収益の分配を開始
Xは2023年8月8日からユーザーに広告収益を分配するプログラムを開始しました。これはポスト(ツイート)のリプライ欄に配信される広告から得た広告収益の一部を、ユーザーに分配するというものです。これを受けてネット上には「〇〇円稼げた」といった声が続々と上がっています。
半信半疑だったけど、Twitterの広告収益分配で本当に配当があった。自分程度で225ドルなので、インフルエンサーのみなさんならガッポガッポでは…。
Twitter改めXから、広告収益分配のメールがさきほどきました。金額は「$369.9821826」!…よくみたら、小数点第7位までありました…が、もともとマネタイズのないTwitterで収益分配していただけるのはありがたいことです
海外では75万3000人のフォロワーを有するジャーナリスト兼作家のBrian Krassenstein氏は、2万4305ドル(約350万円)を受け取ったと報告しています。Twitter改めX、スゴイ。イーロンの約束通り本当に広告収益分配金が振り込まれた。
主な必要条件は一定のエンゲージメントを保つ、パクリや詐欺まがいのコンテンツではなく人々の関心を惹くマトモな投稿を続ける等。
広告収益分配プログラムの概要
広告収益分配プログラムとは、ポストのリプライ欄に配信される広告から得た広告収益の一部をユーザーに分配するものです。なぜリプライ欄かというと、フィード内に配信される広告に対して発生する収益では、どのクリエイターに分配すべきかを決めるのが困難であるためです。収益プログラムに参加するには以下の条件を満たす必要があります。
- Twitter Blue(現X Premium)に加入している
- フォロワーが500人以上
- 過去3カ月間の投稿に対するインプレッション(ユーザーがどのくらい広告を見たのかという指標)が500万件以上(1500万件から500万件へと下げられた模様)
>Twitterの認証バッジ(Twitter Blue)の取得方法と注意点
>Twitterの認証バッジ(Twitter Blue)を取得するメリット、向いている人
自分が収益プログラムへの参加基準を満たしているかどうかは、以下の手順で確認することができます。
広告収益分配プログラムの参加条件
(1)アイコンをタップしサイドバーから「収益を得る」を選択する(2)「広告収益配分」を選択する
(3)上記の3つの条件を満たしているかどうかが表示される
広告収益でどれくらい稼げるの?
プログラムに参加すると一体どのくらい収益を上げられるものなのでしょうか。Xは収益配分に関する基準を公表していないため、明確なことは分かりませんが、海外のあるユーザーは、1万人のフォロワーがいれば25ドル(3600円)/月、10万人のフォロワーがいれば250ドル(3万6000円)/月、100万人のフォロワーがいれば2500ドル(36万円)/月の収益を上げられると投稿しています。
しかし、収益配分はフォロワー数で決まるわけではなく、あくまで広告が表示された回数で決まります。
ユーザーの中にはフォロワー数が約4000人で約1万6000円/月の収益を得た例もあります。これは大量のフォロワーを抱えていなくても収益を上げるチャンスがあることを示しています。
X(旧Twitter)の収益分配に対して否定的な意見も
収益分配を得たユーザーから喜びの声が上がると同時に、以下のような懸念の声も上がっています。多くの方が恩恵を受けられる良いシステムだが、収益が目的になると、今までのような損得や忖度なしのツイートが減ってしまい、面白さが減る可能性がある
イーロン・マスクの気まぐれですぐに終了するだろうな
お金のためにやっているんじゃないかと思われそうで、ツイートしづらくなった
逆に考えると、これまでX(旧Twitter)では、ユーザーは収益など考えず、無償で有益な情報や面白いコンテンツをポストを続けていました。X(旧Twitter)は「遊び」として使われていたわけですが、今回の収益化によって責任を伴う「労働」に変質してしまう可能性があります。
多くのフォロワーを抱えているユーザーは、お金の介在しないつながりをネット上で構築し、コミュニケーションを楽しんできました。ポストがバズれば、ただ満足していただけだったにもかかわらず、「バズる=お金」という構図が生まれてしまえば、閲覧する側のユーザーから嫉妬や中傷の声も生まれることが想像できます。
また、ユーザー同士が「商売敵」のような関係になり、匿名性も手伝って相手を陥れようとするパターンが増えることも危惧されます。
そうなったときに、これまで優良なコンテンツを配信していたユーザーがX(旧Twitter)から離れてしまう危険性があります。
今回の収益化によって培ってきた文化が廃れないように、X(旧Twitter)は十分に配慮する必要があります。