人間関係

「ああ、うちの夫も言うのか」とがく然。絶対禁句の一言を夫に投げつけられた41歳女性は…(2ページ目)

母親が父と離婚を決めた一言を、夫にもまた言われた。ただ、母と違って今離婚しては、子どもをふくめて食べていくことができなくなる。だから、「居座る」ときめて、今後は仮面夫婦として子どもたちのために暮らしていくことにした。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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養われているんだから

夫の答えは、さらにリカさんに衝撃を与えた。

「だって食わせてるのはオレだろって。食わせてさえいれば威張っていいということにはならないでしょ、家族なんだからと言ったけど、『おまえたちはオレに養われているんだよ』と。もともとのケンカのきっかけはもう覚えていません。たいしたことじゃなかったかもしれない。だけど夫の家庭や家族との向き合い方に、もともと不満が蓄積していたので、私もけっこういろいろ言ったんですよ。そうしたら『出て行け』が飛んできた」

この一言で、リカさんは完全に夫を信頼できなくなった。父として夫として、そして人として「相手にすらしたくない人」になってしまったのだ。

「同時に私の過去のトラウマが戻ってきてしまって……。父親が嫌いで、男性不信になりかけていた私を蘇らせてくれたのが夫なんです。なのに、結婚したら結局、父と同じような横暴な夫になってしまった。どうしてなのと夫に尋ねたら、『家族はうざい』と言われました」

家族に「出て行け」という権限はないはず

夫もまた、家庭や家族に対して何かトラウマ的なものがあったのかもしれない。それでも、一緒に暮らしている家族に「出て行け」という権限はないはずだ。少しでも愛情があれば。

「今の段階で離婚は考えられない。というか離婚しても食べていけません。あんな夫に“養われている”ことは腹立たしいし、子どもたちも不憫になる。だけどここは理屈をとるか、現実をとるかという問題なんですよね」

リカさんは「居座る」ことを決めた。母のような苦労はしたくない、あの頃の自分のような目に子どもたちを合わせたくない。その一心だ。

「夫は少しは悪いと思ったんでしょうか、その後は何ごともなかったのように話しかけてくる。不機嫌にしていると子どもたちが不安になるから、私も普通に対応はしていますが、夫の言葉に笑顔を見せるのはやめました。言葉は柔らかいけど、顔は笑ってない。よく見ればわかるのに夫は気づいていないみたい」

いつか見ていろ。夫が衝撃を受けるような復讐をしてやる。リカさんはその思いを胸に、仮面夫婦という選択をしたところだ。
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