夏になると主婦が頭を悩ます「義実家への帰省」問題。どんな事情にストレスを感じているのか
今年は「台風」を理由に……
「ついさっき、今年の帰省がとりやめになりました」サトコさん(38歳)はうれしそうだ。6年前に結婚し、翌年のお盆には夫の実家にふたりで帰省した。
「びっくりしました。夫の実家には、とにかく1日中、人が出入りするんですよ」
サトコさんは、義姉や義妹と広い台所で朝から晩まで働かされた。男たちの宴会は夜中まで続き、「嫁」である3人は深夜に片づけなどの仕事を放棄、台所の片隅で飲んだくれたという。
「バカバカしい。どうして男たちのために私たちが疲弊しなくちゃいけないのと。義姉は日頃からやらされているわけだから申し訳ないと思いつつ、『何か変えなくちゃいけない』と3人で気勢を上げました」
義姉・義妹と「帰省しない夏」の作戦会議
もし私たちが帰省しなければどうなるのかと尋ねると、親戚もあまり集まらないと思うと義姉は言った。じゃあ、試してみようと義妹と相談。「2019年の夏は、ちょうど私が妊娠していたので体調を理由に不参加。義妹は生まれたばかりの子がいるからという理由で帰省を拒否。するとやはり親戚は大勢は来ず、義両親のきょうだいが数人来ただけだったそうです。義姉からも感謝されました」
翌年から3年間はコロナを理由にした。だが今年ばかりはそうはいかなそうだった。夫は4年ぶりだとはしゃいでいたが、サトコさんは何か理由を作り出そうと必死だった。車で行くため、列車や飛行機のチケットを予約するわけではないのでドタキャンも可能なのだ。
「といっている間に関東地方に台風が接近するという予報。これしかない。夫に危険すぎる、幼い子もいるのだから帰省はやめようと言い、夫も了承しました。家から出られないとしても、私も会社が休みですし、子どもとのんびり遊ぼうと思っています」
帰省しない夏が、これほどうれしいとは思わなかったとサトコさんは微笑んだ。来年以降も、もちろん行くつもりはない。義妹は「来年夏も子どもを産もうかしら」と言っているそうだ。憂うつな夏を回避するためには仕方がないとサトコさんは言う。
「どうして夫は実家に家族で帰りたがるんですかね。私は夫を自分の実家に連れていきたいとあまり思わないので、理解しづらい」
やはり夫、および義両親は心のどこかで妻を、“家の労働力”とみなしているのではないだろうか。
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