Season1では山下智久さんが日本人の微生物学者として出演。流暢(りゅうちょう)な英語で重要な役を熱演していました。
Season2で福士蒼汰さんが演じるのは、優秀なコンピューターエンジニアのユウト。福士さんにとって念願の海外作品だけあって、その意気込みは相当だったのではないかと。撮影の裏側や俳優としての未来などについてお話を伺いました。
『THE HEAD』Season2出演、福士蒼汰さんにインタビュー
――福士さんは海外作品への出演を希望していたそうですね。このドラマのオファーが来たときのことについて教えてください。福士蒼汰さん(以下、福士):『THE HEAD』の出演オファーをいただいたとき“海外に挑戦したい”という夢がやっと叶うんだ!と、とてもうれしかったです。
ただ僕はすでに劇団☆新感線の舞台「いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」の公演が決まっており、スケジュールの都合で、ドラマへの出演は難しいかもしれないという状況でした。
それでもせっかくのチャンスだし、このドラマは自分の人生にとって必ずプラスになると思ったので、なんとかスケジュールを調整していただき、出演が実現しました。舞台が終わってから2日後に撮影場所のスペインへ向かいました。
――ハードスケジュールですね!
福士:準備も大変で、『THE HEAD』のプロットや台本を、舞台中に空いている時間を見つけては、繰り返し読んで覚えました。日本語に翻訳した台本もありましたが、撮影は英語だし、日本語で覚えてもニュアンスが違うこともあるので、やはりすべて英語で理解したいと思いました。
難しかったのはト書き(役の動作、行動、表情を指示した文章)。わからない単語は調べて理解して、セリフを何度も繰り返して自分に浸透させていきました。アクティングコーチの方には発音と演技のアプローチ法について指導を受けました。
――舞台をやりながら海外ドラマの準備も進めていたなんて、体がふたつ欲しいくらいですね。
福士:確かに大変でしたがネガティブな気持ちはまったくなかったです。撮影は緊張しましたし「できるかな」という不安もありましたが、目標としていた海外作品への出演なので、ワクワクする気持ちの方が上回っていました。
初の英語芝居でいきなりアドリブ対応!
――福士さんが演じたユウトという役について、キャラクターや背景を教えてください。福士:ユウトは、コンピューターに精通している優秀なエンジニアですが、グレーな仕事も平気で請け負うタイプ。大金を稼いでは豪遊して、お金がなくなったらまた仕事に戻るという、勤勉とは言い難い男です。
シューティングゲームやホラーゲームが大好きな彼が、現実世界で殺人事件に遭遇し、まさにホラーな状況に陥ってしまう……というところが面白いと思いました。
ユウトと僕の共通点はどんな時でも冷静で取り乱さないところ。僕も何事にも冷静に対応できるタイプなので、そこは似ていると感じました。
――Season1から継続して出演している天才生物学者のアーサーを演じるジョン・リンチさんとのシーンは大変だったと聞きました。
福士:ジョンはアドリブが多く、台本通りにはいかないこともあるので、ジョンとのシーンは彼のセリフも覚えて、どんな風に変えてきても対応できるように特に力を入れて準備を整えました。彼とのお芝居はすごく臨場感があり、刺激的でした。
台本を覚えていても、実際に現場に入って俳優同士で演技を交わして感じることもあるし、ジョンはそういう“ライブな感じ”を芝居に生かすことを意識していたと思います。本当に鍛えられました。 ――海外ドラマの撮影現場を経験されて、日本の撮影現場との違いは感じましたか?
福士:撮影スケジュールに追加シーンが書き加えられたりすることもあり印象的でした。「ボードゲームで遊ぶシーンを追加するけど、時間がなかったら撮らない」とか。日本のドラマ撮影だと、台本にないシーンを追加することはあまりないので、僕は初めての経験でした。
でもその追加のシーンが、いいスパイスになっているんです。「このシーンはいらないから、こういうシーンを加えてみよう」という柔軟性があるのがいいなと思いました。
台本の中で構築された世界を映像できっちり表現していく日本のドラマも素晴らしいのですが、面白いと思うものを瞬時に取り入れフレキシブルに対応していく今回の現場は僕には新鮮でしたし、面白かったです。
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