アルプスの山々が織りなす絶景で知られるスイス。2024年には日本との国交樹立から160年を迎えます。新型コロナウイルス関連の入国制限は2022年5月2日から廃止しており(※)、今では多くの旅行客を受け入れています。
ところで、海外を訪れる際に気にする人も多いのが、トイレの使い方や衛生面ではないでしょうか。そこで今回は、事前に知っておくと安心なスイスの最新「トイレ事情」を紹介します。
基本的には日本のトイレと同じ
スイスのトイレの基本的な作りは、日本の“洋式トイレ”と一緒です。女性トイレの場合、鍵付きの個室に、便座のある便器、トイレットペーパー、小さなゴミ箱がついています。日本のトイレとの違いを挙げるなら、スイスの個室のドアは足元も上も開いています。『音姫』のような用を足している最中の音を消すようなものはなく、中にいる人の存在感を感じる作りです。
また、日本では見かけることも多い便座を温めるヒーターや、温水洗浄便座のようにおしりを洗浄する機能はありません。たとえ高級ホテルのトイレでも、無いと思っていたほうがいいでしょう。
水洗ボタンは後ろの壁にあることが多い
便器に水を流すボタンは、近年センサータイプも増えてきましたが、一番多いのは便器の後ろの壁に埋め込まれているボタンを押し込むタイプです。
・古いトイレでは水の流し方が違うことも
ちょっと古い作りのトイレに行くと、タンクの上のボタンを引っ張り上げるタイプや、便器の下にあるボタンを足で踏むタイプもあります。
手洗い場ではハンカチ不要!
手洗い場の蛇口は、手をかざすと水が出てくるセンサー式が主流です。その横には手を拭くためのペーパー、またはハンドドライヤーが設置されており、ハンカチが無くても大丈夫。ペーパーホルダーは、手をかざすと自動で1人分の紙が出てくるセンサータイプのものが増えてきました。
公共トイレは有料化している
筆者がスイスを訪れる人から一番よく聞かれるのが、「トイレは有料ですか? 小銭は必要ですか?」という質問。
近年、スイスの公共トイレは有料化しています。例えば高速道路のパーキングエリア、駅構内のトイレ、街中にあるトイレなど、その場所にお金を払わずに入ることができるトイレは有料の場合が多いです。スイスの高速道路は年間パスを40スイスフラン(約6613円)で購入すれば乗り放題ですし、鉄道駅には改札口が無いので、駅構内には誰でも入れます。
一方、ゴンドラや登山電車に乗らなければならない観光地や、入場料を払わないと入れない施設、レストラン、電車内などのトイレは無料です。
外から入れるレストランなどは、トイレに鍵がかかっていて店員にコードを聞かなければ使用できないようにしてあったり、入口に「レストランのお客様以外は有料」と記されていたりします。
こうしたルールは覚えておくといいかもしれませんね。
有料トイレの利用方法
有料トイレの多くは、入口にゲートを設置しています。場所によって料金は異なりますが、1スイスフラン~2スイスフラン(約165円~331円)で、現金またはクレジットカードで支払います。
現金払いの場合は、そばにある両替機で小銭に崩すことができるので、事前に小銭を用意する必要はありません。
・トイレ後の買い物で使える「クーポン券」
お金を払うと、小さなクーポン券が出てきます。支払った金額のおよそ半額分が、トイレを利用した売店などで商品を購入する際に値引き券として使用できます。トイレを済ませてからお買い物をしてくださいね!
ドイツ語、フランス語、イタリア語などの案内表示があることも
スイスは公用語が4種類あるので、トイレは「Toilette(ドイツ語)」「Toilettes(フランス語)」「Servizi igienici(イタリア語)」などの表記もありますが、共通表記は「WC」です。
たまに文字だけで表記されていることがあるので、ドイツ語のHerren(男性)&Damen(女性)、フランス語のHommes(男性)&Dames(女性)などは覚えておくと便利ですよ。「Hな男は、入っちゃ(D)ダメよ」ってゴロで覚えてください! イタリア語はDonne(女性)&Uomini(男性)またはSignori(男性)&Signore(女性)です。
マークは女性用、男性用、車いすマークの3種類。男性が青色で女性が赤色といったように色分けされることは少なく、男女の絵やピクトグラムで表示されていることが多いです。
※レートは2023年8月18日時点