英国感あふれる世界一有名なクルーズ船「クイーン・エリザベス」5つの魅力

ひと口にクルーズ旅行といっても、船が違えば雰囲気がガラリと変わり、全く違う旅が楽しめるのが面白いところ。日本の船か外国の船かでも大きく違います。 今回は、4年ぶりに日本へやってきたイギリス生まれの豪華客船クイーン・エリザベスに乗船しました。“世界一有名な船”といわれることも多い、“海の女王”ことクイーン・エリザベス。日本発着クルーズだったので、船を降りればそこは日本ですが、船の中はイギリスそのもの。特に「イギリスらしい！」と感じた5つの魅力を紹介します！
＜目次＞

1. 名付け親はエリザベス2世！ 英国王室ともつながりが深い船

クイーン・エリザベスを運航しているのは、180年以上の歴史を誇るイギリスの船会社キュナード。船に女王陛下の名前をつけている船会社は世界広しといえども、キュナードだけでしょう。

現在の「クイーン・エリザベス」は、2010年に就航した3代目で、イギリス女王だったエリザベス2世が命名しました。アールデコ調を現代風にした船内のインテリアは、どこを見ても優雅そのもので、思わずため息が出ます。 キュナードとイギリス王室とのつながりは、1861年にアルフレッド王子がキュナードの客船「SSアラビア」に乗船したことにまでさかのぼります。また近年も王室関係者がキュナードの客船に乗船しており、関係は続いています。 2023年5月に行われたチャールズ国王の戴冠式の際には、船上で戴冠式を記念するディナーを提供したり、イギリスの慶事の際に行われるストリート・パーティーをテーマにしたイベントを開催したりと、船を挙げてのお祝いも。客室内のテレビでは式典もライブ中継したそうです。
 

2. これぞ正統！ アフタヌーンティーが毎日無料

イギリスといえば、アフタヌーンティーの本場。エリザベス2世もアフタヌーンティーをこよなく愛していたといわれます。

アフタヌーンティーは19世紀にはじまったといわれる習慣で、もともとはランチとディナーの間の空腹を満たすためのもの。船でも15～16時にサーブされます。会場となるクイーンズ・ルームでは生演奏の中、15時になると白手袋をはめたスタッフがうやうやしく一礼し、一斉にサーブをスタート。まずはサンドイッチ、次にペストリー、そしてスコーンと続きます。
  キュナードオリジナルレシピのスコーンは、プレーンとレーズンの2種。クロテッドクリームをたっぷりつけていただきます。ジャムは英国王室御用達の「チップトリー」、紅茶は「トワイニング」です。
  かなりボリュームがあるので、全てをしっかり楽しみたければ、ランチを軽めにしてのぞむことを強くおすすめ。なお、アフタヌーンティーはスペシャル・ダイニング「リド・レストラン」でブッフェ形式で気軽に楽しむこともできます。
 

3. イギリスの社交場！ 英国風パブも盛況

アフタヌーンティーと並ぶイギリス文化といえば、パブ。パブリックハウス（Public house）が語源とあって、イギリスではワイワイ楽しむ社交場のような場所になっています。クイーン・エリザベスの船内にも英国風パブ「ゴールデン・ライオン」があり、いつも多くの人でにぎわっています。 パブの飲み物といえばビール、食べ物はフィッシュアンドチップスが定番。この組み合わせがあれば、もうすっかりロンドンの街角のパブにいるような気分です！ そうそう、船内にはオリジナルジンを楽しめるバー「ミッドシップス・バー」もあります。

現在、世の中で主流の辛口のジン「ドライジン」はイギリス生まれ。ここではスコットランドのエディンバラにあるサマーホール蒸留所でつくられるオリジナルジン3種が飲めます。

3種のジンはキュナードが保有する3隻の船の名前を冠しており、代表的な寄港エリアである東洋・地中海・太平洋からインスピレーションを受けて、厳選したボタニカルを使用しているそう。船の上だけで楽しめる限定の味です。
 

4. まるでロンドンの劇場街！ 本格シアター

船内には「ロイヤル・コート・シアター」という本格的な劇場があり、毎晩ミュージカルやライブが繰り広げられています。ロンドンの劇場街、ウエストエンドを彷彿とさせる本格的な劇場にテンションが上がること間違いなし！

今回取材した日本発着クルーズのテーマは「ベスト・オブ・ブリティッシュ～英国ミュージック＆ビートルズ～」だったので、スペシャルゲストとして、世界最高峰のビートルズトリビュートバンド「ザ・ブートレッグ・ビートルズ（The Bootleg Beatles）」が登場。ビートルズのヒット曲を完全に再現し、高い評価を受け続けているグループです。 往年のヒットチューンに観客はノリノリ。クルーズ中は2日にわたって登場し、最終日は観客総立ちでダンス＆シングの大盛り上がりでした。

それ以外にも、船内でふと聴こえてくる音楽がイギリスのポップデュオ「ワム！」の曲だったり、シアターでイギリスを舞台にした映画『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』が上映されていたりと、エンターテインメントにもイギリスらしい要素がたくさんありました。
 

5. 階級社会の伝統を継承したカテゴリー制の客室

イギリスは伝統的に階級社会です。映画『タイタニック』でも客室の等級の違いがわかりやすく描かれていました。

クイーン・エリザベスでも、客室はカテゴリーにわかれています。「クイーンズ・グリル」「プリンセス・グリル」「ブリタニア・クラブ」「ブリタニア」という4つのカテゴリーがあり、客室カテゴリーごとに専用のメイン・ダイニングがあります。

リピーターの人は、見える景色や客室の位置などからお気に入りのカテゴリーがあるようですよ。 日本はもちろん、世界のどこを巡っていても、船内ではイギリスの文化を体験できるクイーン・エリザベス。英国らしい気品に満ちたクルーズ体験は、この船だけで体験できる唯一無二のものです。

・キュナード