Q. 薬を飲み忘れてしまったら、どうすればいいでしょうか?
薬を飲み忘れたらどうすればいい?
「朝晩2回」「毎食後」など、薬を服用するタイミングが決められていたのに、飲み忘れてしまった場合、どうするのがいいのでしょうか? 対処法と、絶対にしてはいけないことを解説します。
Q.「うっかり薬を飲み忘れてしまいました。気が付いたタイミングですぐに飲めば大丈夫ですか? スキップした方がいいのでしょうか? 次のタイミングで2回分飲むのはいけませんか?」
A. 対処法はケースバイケースだが、2回分のまとめ飲みは絶対に避ける
まず、薬を1回飲み忘れたからといって、次のタイミングで2回分まとめて飲むのは絶対にしてはいけません。2回分の効果が得られることははなく、単に好ましくない副作用が出る危険性が増すだけだからです。薬の用法用量は、その薬に期待する効果が十分に現れ、かつ、副作用が最小限にとどめられるように定められています。飲んだ薬の効果の出方は、最終的には薬の成分の「血中濃度」によって決まります。服用のタイミングは、それぞれの薬の体への吸収・体内分布・代謝・排泄の速さなどの特性が考慮され、治療に最適な範囲の血中濃度が一定以上に保てるように考えて決められていることを、理解しておきましょう。一度に2回分の量を飲むと、血中濃度が急激に必要以上に上がってしまうので、良くありません。
それでは、飲み忘れたことに気づいた場合、どうするのが正しい対処法でしょうか? 答えは、ケースバイケースです。食事の影響を受けることがなく、いつ飲んでもいいが飲み忘れを防ぐために「食後服用」とされている薬の場合は、忘れていたことに気づいた時点ですぐに飲んでも差し支えありません。ただし、気付いたのが次の服用のタイミングに近い時間だった場合は、忘れた回の分はあきらめて、次のタイミングで1回分を飲むようにしてください。また、食事の影響を受ける薬や、服用間隔が指定されている薬などは、自己判断で飲むのはやめましょう。たとえば、食前に飲むよう定められている血糖降下薬などの場合は、飲み忘れたからと食後にあわてて飲むと、血糖値が下がり過ぎて危険です。
飲み忘れの心配がある方は、薬局で薬をもらうときに、事前に薬別の対応法を聞いておくといいでしょう。また、実際に飲み忘れたときにどうしたらいいか不安になった場合には、遠慮なく薬局に相談しましょう。そのためにも、自分の体質や薬歴を把握し、個別相談にのってくれる「かかりつけ薬局」をもっておくことをおすすめします。