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クルーズ旅行復活! 豪華客船クイーン・エリザベス乗船レポート【2023】

2023年、外国クルーズ船の日本寄港が再開しました。そこで今回は豪華客船クイーン・エリザベスの日本発着クルーズに乗船。タイパもコスパもいいクルーズ旅行の魅力とリアルな船内の様子をレポートします。

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

GW直前の4月28日。横浜港に5隻のクルーズ船が着岸したことがニュースになりました。5隻同時着岸は日本初。SNSでも「やっとこんな日が戻ってきた」と感慨深げな投稿もありました。
横浜の大黒ふ頭に入港したクイーン・エリザベス

横浜の大黒ふ頭に入港したクイーン・エリザベス。全長294m、水面からの高さ56.6m

5隻中3隻が外国船で、うち1隻は「海の女王」ともいわれるイギリスの豪華客船「クイーン・エリザベス」でした。今回クイーン・エリザベス号の横浜発着の日本一周クルーズに乗船(※釜山港から乗船するショートクルーズコースで参加)。リアルなクルーズ旅行の今と、その魅力をレポートします。
<目次>

クルーズ旅行の魅力はタイパ&コスパのよさ

クイーン・エリザベス。パビリオンプール

大海原を進むクイーン・エリザベス。温かい日にはプールやジャグジーで寛ぐ人の姿も

クイーン・エリザベスに乗船して実感したのが、タイパとコスパのよさでした。

1. 寝ているうちに移動できるから「タイパ」がいい!
クイーン・エリザベスの客室

スタンダードな「ブリタニア」の客室。バルコニー付きの部屋からシングルタイプまでいろいろ

クルーズ旅行は「動くホテル」といわれますが、まさにその通り! 基本的に夜(夕方~夜頃)に出港し、翌朝には次の寄港地に到着という移動パターンが多くなっています(移動距離が長い場合は、昼間も含めて丸一日海の上で過ごす終日航海日もあります)。
 
クイーン・エリザベスのランドリー

クイーン・エリザベスの船内には無料で使えるランドリー(乾燥機付き)があるので長旅も安心

寝ている間に移動できるので「10日で日本一周」なんていう、普通に聞いたらありえないような超ハードな旅も優雅に実現できちゃいます。ホテルの移動がないので、一度乗れば旅の最後までパッキングの手間が不要。自分の部屋のように使えて、本当に快適です。

2. 宿泊代・交通費・食費込みだから「コスパ」がいい!
クイーン・エリザベスの食事

ある日のディナー。前菜・サラダ・スープ・主菜・デザートそれぞれに複数の選択肢あり。写真は主菜の「鴨胸肉のロースト」。やわらかくジューシー

クルーズ旅行って、なんとなくセレブなイメージがありませんか? でも通常の旅でかかる移動代とホテル代(食事込み)がセット、さらに船内でのエンターテインメントも込みの料金だと考えると、実はかなりお得なんです。
 
クイーン・エリザベスのグランド・ロビー。壁の寄木細工

船内に一歩足を踏み入れると非日常の始まり。グランド・ロビーには寄木細工の壁画が飾られている

特に外国船は、日本船に比べて価格もリーズナブル。今回乗船したクイーン・エリザベスも、コースや客室によっては1泊1人2万円台から楽しめます。それでいてクルーズ旅行というワードからイメージする非日常感と高揚感は予想どおり、いやむしろ予想以上。値段以上にラグジュアリーな旅ができます。
 

コロナ禍でクルーズ旅行はどう変わった?

外国客船の日本発着クルーズは2023年春に復活したばかり。クイーン・エリザベスも、イギリス国内発着のクルーズコースから徐々に運航を再開していきました。今回の日本への寄港は4年ぶりですが、船内はすっかり以前と同様のにぎわいを取り戻していました。取材したのが日本発着クルーズということもあり、肌感覚では、半分くらいは日本人という印象。それ以外の地域からと見受けられるゲストも多くいました。
 
クルーズ船のマスク

2023年4月の乗船時の船内ではマスク着用(デッキ等屋外では不要)のルールだった

変わったことといえば、感染対策でしょう。4月の乗船時は事前の抗原検査とワクチン3回接種も条件でした。また船内は消毒液が各所に配置され、マスク着用の指示もありました。条件は状況によって変わっていくそうですが、感染症対策に対して十分な配慮をしていることがうかがえました。ちなみに船内には医師も乗船しており、新型コロナウイルスのみならず、急病にも対処してもらえるので安心です。

それでは早速、華麗な船内ライフをご紹介していきましょう。
 

毎晩フルコースディナーに舌鼓!

クイーン・エリザベスのレストラン

スタンダードクラスの「ブリタニア・レストラン」もこの豪華さ。まるで宮殿のよう!

客室のランクに合わせた注文式の専用レストランがあり、ランチもディナーもフルコースの食事を楽しめます。しかも「前菜は飛ばしてメインを2種類にする」といった好みに合わせたカスタマイズも可能。もちろん1人で2人分食べたってOKです。
 
クイーン・エリザベスの食事

船の上とは思えないほど、本格的な味わいに驚かされる

コースのメニューは日替わり、かつ前菜や主菜などそれぞれにいくつかの選択肢が用意されているので、毎日食べても飽きません。お酒は有料ですが、値付けはとても良心的です(よく高級レストランでお酒の値付けは市場価格の3倍といわれますが、街中の酒店で購入するのと変わらないものも)。
 
クイーン・エリザベスのルームサービス(朝食)

ルームサービスで海を見ながらの朝食もおすすめ。ホットミールはお皿も温かくしてくれる配慮がうれしい

レストランはほかにも気軽に使えるブッフェ式の「リド・レストラン」や有料の「ステーキハウス・アット・ザ・ベランダ」、さらにバーやラウンジなどが計8カ所あるので、よりどりみどり。そのうえアフタヌーンティーや24時間のルームサービスまであり、何を食べようか悩んでしまいます。
 

「船の上は退屈そう!?」は大きな誤解

クイーン・エリザベスのロイヤル・コート・シアター

ロイヤル・コート・シアター。プログラムによっては有料のボックスシートも用意される

でも船の中ってやることなくて退屈では?と思う人がいたら、大いなる誤解。船内ではイベントやショーが目白押し。とくに終日航海日は昼間もズンバやダンスのレッスン、クッキングデモンストレーション、水彩画教室など、イベントが多く企画されています。

夜はクイーン・エリザベスのエンターテインメントの真骨頂。ハイライトはロンドンのウエストエンドを彷彿とさせる劇場、ロイヤル・コート・シアターでのショーです。

毎晩ミュージカルや歌などを日替わりで公演。スタッフによるオリジナルショーもハイレベル。さらに外部ゲストによるショーも充実。それらがチケット不要で無料で楽しめることに驚きました。
 
クイーン・エリザベスのダンスパーティ

今回のクルーズ中には「仮面舞踏会」がテーマの夜も

クイーンズ・ルームと呼ばれる広間では、毎晩ダンス・パーティが開催されています。日本でも最近はシニア層を中心に社交ダンスブームとあって、みなさんとても上手に踊っていました(でも全員が上手なわけではないのでご安心を。昼間には無料のレッスンもあり、たくさんの方が受講していました!)。

フォーマルのドレスコードがある日には、参加者の装いがさらに華やかに。まるで映画の世界のような雰囲気に包まれ、うっとりします。
 
クイーン・エリザベスのカジノ

カジノや免税店は航海中のみオープン

免税店でのショッピングやカジノなどのお楽しみもあります。
 

運動不足の心配いらず! ジムやサウナ、スパも

クイーン・エリザベス。3階のデッキ

3階のデッキでは大海原を見ながら、気持ちのよい散歩も楽しめる。3周0.9マイル(約1.5キロメートル)

船内では比較的よく歩くことになると思うのですが、それでも体重増加は必至かも!? 個人的にはできるだけエレベーターではなく階段を使っていました。
 
クイーン・エリザベスのジム(フィットネス)

ジム(フィットネス)。マシンはイタリア製のテクノジム。有酸素マシンと筋トレマシンのほか、ダンベルのあるフリーウェイトエリアも

もっと体を動かしたい人には、無料で使えるフィットネスジムもあります。無料や有料のレッスンも随時開催されており、筆者が参加した朝のサンライズストレッチ(無料)も大人気でした。朝から体を動かすと、ごはんもきもちよく食べられます(むしろ食べ過ぎるかも?)。
 
クイーン・エリザベスのサウナ

一面が完全にガラス張りの絶景サウナ。ロッカーのカギはスパのレセプションで借りられる。タオルの用意もあり

うっかり見逃しがちですが、ぜひ利用してほしいのが、ジムの横にあるサウナ。オーシャンビューの動くサウナは、船上ならではのお楽しみです。誰でも無料で利用できます。
 
クイーン・エリザベスのスパ

スパ。カップルで施術を受けられる部屋も

有料のスパもあり、各種マッサージやトリートメントが受けられます。日本人のセラピストによる鍼メニューもありました。ちなみに筆者はマイクロニードリングという肌の活性化を促す施術を体験。地上では美容ケアには無頓着ですが、時間のある船の上だからこそ「やってみよう」という気になりました。そんなゲストも少なくないようです。
 
クイーン・エリザベスのサロン

サロンも気分が上がるオーシャンビュー

サロンもあり、髪の毛のカットやカラー、スタイリング、ネイルなどもできます。ディナーに向けて、ここでセットアップやメイクをしてもらうのも素敵ですね。
 

過ごし方・楽しみ方は無限大

クイーン・エリザベスのライブラリー

らせん階段で2フロアをつないだ美しいライブラリー。本の貸し出しは無料。日本語の本は少ないので、読みたい本は持参がおすすめ

クルーズ旅行のよさは誰もが自分の心地よいペースで楽しめること。寄港地では街へ観光に出る人が大半ですが、あえて船に残って人の少ない船を満喫する人もいます。終日航海日にはプールサイドで日光浴をしながら本を読む人の姿も見かけました。

海の上は携帯の電波が届かないので、デジタルデトックスの機会にするのもいいかもしれません(料金は高めですが、有料のWi-Fiも購入できるので、仕事で必要な人もご安心を)。
 

一度乗ると魅力がわかるクイーン・エリザベスでの船旅

クルーズ旅行の楽しみ

船上から見る夕日や朝日は感動モノ!

今回の乗船中に船内で日本語での次回予約の説明会もあり、覗いてみるとかなり盛況でした。なんでも船上から予約すると、無料アップグレードなど特典があってかなりお得なのだとか。すでに2024年のみならず、2025年の旅程も発表されており、予約も好調とのこと。リピーターの中にはお気に入りの部屋を指定する人もいるそうです。
 
クイーン・エリザベスのコモドアー・クラブ

コモドア―・クラブでは歴代のコモドアー(提督)がテーマのカクテルも楽しめる。写真は「パンチ・ロメーヌ・ア・ラ・カラパチア」

クイーン・エリザベスを運航するキュナードは、2020年に180周年を迎えています。船旅は長い歴史のあるクラシカルな旅のスタイルですが、タイパもコスパもよく、ある意味、令和にマッチした旅のカタチであるともいえそうです。個人的にも下船した瞬間にまた乗りたくなり、今もあの船上の夢心地の日々に想いを馳せています。

キュナード
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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