海外=危険ではなく、危険を回避する意識が必要です |
2004年に世界各国で発生したテロ件数は3192件、テロによる死亡者は6060人、負傷者は16091人、誘拐の被害者は6282人にも上るそうです。全体の4分の1強にあたる件数はイラクで発生しているそうですが、4年前の米国同時多発テロや今回2回のテロが続けて起こった場所は、日本人の留学先として最も人気のあるアメリカとイギリスです。
今や「日本=安全」ということでもないでしょうし、もちろん「海外=危険」というわけでもありませんが、日本とは環境の異なる国に留学をする際は、安全・治安に関する意識も変える必要があるように思います。
治安の良い国・地域ってどこでしょうか?
留学希望者からよく聞くセリフの一つに「治安の良いところにある学校を選んでください」というものがあります。あるいは、「留学を予定しているこの都市(街)の治安ってどうなんですか?」という質問もよく聞きます。そして、その度になんて答えたらいいのだろうと思ってしまう私です。一般的なイメージで「ここは田舎だから安全ですよ」とか「ここは治安がよいことで知られています」と答えることは簡単です。でも、田舎だから安全ということもないですよね?それは日本でも田舎で結構事件などが起こっていることからも分かります。一見、のどかでいいところだなぁという場所で凶悪犯罪が起こったり……。
それ以外によく聞くのは、「アメリカは銃社会だから怖いです」という言葉。確かにアメリカは銃社会です。でも、カナダも同じように銃社会です。ただ、統計で見ると、カナダに比較してアメリカの銃による殺人の件数はかなり高く、年間1万人にも上ります。つまり、同じ銃社会でもカナダは銃による殺人が少ないですから、「銃社会=危険」というわけでもなさそうです。また、銃による殺人が多いアメリカでも、その多くは知り合いや顔見知りによる犯行と言われています。つまり、テロのように無差別攻撃の対象になるようなケースは少ないということです。日本の交通事故死亡者の数は年間7000人を越えますが、交通事故に合うことに怯えながら生活している人っていませんよね?それと同じ感覚で言えば、殺人事件などに巻き込まれることに怯えながら留学生活を送る必要もないと思います。