人間関係

定年まであと数年「僕はお先真っ暗」「55歳で心身を病んで……」、まさかの事態で一寸先は闇

50代後半になると考えざるをえなくなるのが、定年後の暮らしのこと。子どもがまだ独立しておらずお金がかかる家庭、派閥争いに巻き込まれ精神を病んでしまった夫を抱えている家庭など状況はさまざまだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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あと数年で60歳となり、定年退職を迎える人たちは今、何を考えているのだろう。40年近く勤めた会社に嘱託として残ることもできるが、果たして残ったほうがいいのだろうか。年金がもらえるのは65歳から。仕事をしなかったら、その5年間はどうやって暮らせばいいのか。

定年まであと3年。仕事をしない人生を楽しみにしている人もいれば、経済的にも時間的にも恐怖感を覚えている人もいる。
定年後のことを考えると不安がつのるばかり

定年後のことを考えると不安がつのるばかり

60歳を過ぎても子どもにお金がかかる

「僕はお先真っ暗ですよ」

会うなりそう言うのは、サトシさん(57歳)だ。定年まであと3年だ。ところが彼が結婚したのは40歳のとき。今、ふたりの子は15歳と12歳。まだまだ学費がかかる。

「子どもは若いうちにもうけたほうがいいですね。30代は仕事が楽しくて、周りが結婚していっても僕は独身でいいと思っていたんです。ところが30代後半になったら急に寂しくなってあわてて結婚しました。子どもも産まれてよかったなと思ったものの、経済的にはきついです。妻もパートで働いていますが、子どもが大学に行くなら奨学金を頼るしかありません。独身時代に買った中古マンションも手狭ですしね。定年までに資格をとろうと思っていたけど、あと3年でとれるかどうか……」

もちろん、退職して悠々と暮らすのは夢のまた夢。70歳までは働き、子どもたちには迷惑をかけないようにしたいと言う。

「今だって、うちはかなりきついですよ、生活が。電車で1時間ほどのところに両親が住んでいますが、うちの父は自営業だったので年金が少ない。商売がだんだんうまくいかなくなってやめたので、借金こそないけど貯金もない。70代半ばの父と母は今もアルバイトをしています。僕に甲斐性がないから申し訳ないとも思う。借地に建てた実家は築50年くらいになるんじゃないでしょうか。そういうことも考えると、本当に闇に落ちますね」

あとは自分が健康を保って、いつまでも働くしかないと彼はつぶやいた。

>出向続きで人間関係に悩んだ夫は……
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