人間関係

男性72.68年、女性75.38年…健康寿命はそう長くない?定年後を楽しむ60代の課題

“暗い”老後を想起させる話題ばかりが目につくが、定年後を心待ちにする人だっている。子どもたちも独立し、定年退職したばかりだという60歳男性に話を聞いた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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定年退職は、第二の人生の幕開けだ。経済的に苦しい、老後真っ暗とつらい話ばかりが流布されているが、これからは好きなことをしたいと退職を待ちわびている人もいる。経済的に大変でも、なんとか「楽しく生きている」人もいるのだ。
 

夫婦ふたりで楽しむ老後へ

定年後は“暗い”ばかりではない、心待ちにする人だっている

定年後は“暗い”ばかりではない、心待ちにする人だっている

「妻より一足先に定年退職しました。グループ会社で嘱託として週4日働くことになったので、週休3日。早速、レンタカーを借りてドライブしてきました」

ニコニコしながらそう言うのは、ユウスケさん(60歳)だ。結婚して30年、ふたりの子どもたちは独立、長男は独身で寮住まい、長女は結婚したばかり。

「もう何の責任もない、肩の荷が下りたという気分です。妻もあと3年働けば定年退職。彼女も1カ月ほど休んでから継続して働くそうです。その間、ひとりで海外旅行したいと言っています。うちは、それぞれ好きなようにしようと話し合ったので、僕もそのうちひとりで旅行するつもり」

退職金にはまだ、手をつけずにいる。妻が退職した時点で、ふたり合わせての資産運用を考えるつもりだとか。とはいえ、「ふたりとも中堅企業ですから、遊んで暮らせるほどの退職金ではない」そうだ。

「長男は専門学校、長女は大学へ行きました。学費は大変でしたけど、子どもたちに奨学金を借りさせるのもしのびなくて、親として学費を出しました。そのおかげでこっちは貯金なしです。でも、だからこそ今、とても解放された気持ちなんだと思う」

お金のことを考えたら足元が震えるほど不安になる。だけど、「今を生きるしかない」と腹をくくりつつあるそうだ。

「週3回の休みをどう使うか。今、じっくり考えているところです。まずは家庭菜園かな。今までも少しやっていたんですが、もう少し収穫を多くしたい。本当はバイクを買いたいんですが、そうもいかないので、レンタルして遠出したいですね」

「物を持つのをやめよう」と妻とも話した。それより自分の健康を第一に考えた生活をしていこう、と。

「車やバイクを買っても毎日乗るわけじゃない。だったらレンタルでいい。代わりに今までより運動をしよう。興味のあることを深く研究しよう。それがいちばん大きな目標です」

>ユウスケさんが考える定年後の「課題」は?
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