理由その1:計画に無理がある
1000万円に限ったことではありませんが、大前提として、計画そのものに無理があれば貯めることはできません。たとえば、今40歳の人が60歳までに貯金1000万円を目標にしたとします。しかし、毎月2万円しか貯金できない場合、このペースで貯めていくと、実に42年弱の歳月を費やすことになります。
計画を立てるときには、目標額と積立期間を明確にしてから、決められた期間内に貯められるのかをシミュレーションすることが大切なのです。
理由その2:貯まると使ってしまう
毎月、定期的にコツコツと貯めている人も多くいらっしゃいます。しかし、貯金のすべてが、目標に掲げた「1000万円用の貯金」だった場合、万が一のときにお金が必要になってしまったときには、「1000万円用の貯金」を切り崩さなければなりません。1000万円を貯める計画があるなら、1000万円用の貯金とともに、イザというときに備えた貯金を別途、貯めておく必要があります。
たとえば、1000万円用に毎月3万円、ボーナスから年間で80万円貯める一方で、予備費として毎月2万円、ボーナスから年間で20万円貯めるというように振り分けておくのです。
1000万円用の貯金以外は使ってもよいというルールになっていれば、精神的な余裕も生まれますし、引き出したとしても罪悪感はありません。計画も狂うことはありませんよ。
理由その3:ライフスタイルが変わりお金が足りない
理由その1と少し似ているのですが、あらかじめ貯蓄計画を立てていたとしても、ライフスタイルが変わってしまうことがあります。「急に親を引き取ることになった」「子どもが生まれた」「転職をして収入が減ってしまった」「リストラされて働き方が変わってしまった」などのときには、計画そのものを見直さなければなりません。 基本的に、当初の計画通りに貯蓄をすることが大切です。とはいえ、ライフスタイルが変わり、当初の計画通り貯蓄することが難しくなってしまったときには、貯める金額や貯め方を変える必要があります。目標を掲げて最後まで貫くことは大切ですが、無理をしては意味がありません。1000万円を貯めることが目標の場合、当初10年で貯める計画であったなら、計画を修正して15年、20年に延長しましょう。そもそも目標額を変更したってかまわないのです。無理をして身体を壊し逆に医療費がかかってしまうなど、余計に出費がかかってしまっては元も子もありません。無理なときには、計画を修正することは必要なのです。
貯金1000万円を目標にする人は少なくありません。ただし、無理があったら貯まるものも貯まらなくなってしまいます。まずは計画を立てます。ライフスタイルが変わったときには見直して、今の生活に負担をかけないようにしながら1000万円を目指しましょう