人間関係

慌てて駆けつけた小学校で…夫は見た!家では穏やかで完璧な妻の「すさまじい罵倒」(2ページ目)

予期せず妻の「裏の顔」を見てしまったとき、夫は何を思うのか。結婚14年の妻が、家の外では「危険人物」扱いされていることを知った40歳男性の経験談。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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夫は言葉を失った、完璧な妻の「裏の顔」

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昨年、ふたりの子が同じ小学校に通っていたときのこと。タクロウさんは運動会に行くと子どもたちと約束していたのに、急に仕事が入って行かれなくなった。

「でも思ったより早く仕事が片付き、慌てて学校に駆けつけました。急いでいたので妻にも連絡できないままでしたが、とにかく子どもたちの姿を見られればいいと思って。保護者席まで行くと、なにやらもめごとが起こっている。ふと見ると、輪の中心は妻でした。妻ががなり立てているんです。

『あんたが先に私を押したくせに、何被害者ぶってんのよ』『だいたい、あんたはいつも態度が悪い。新参者なんだからでしゃばるんじゃないよ。そんなことじゃ子どもがいじめられる』と、すさまじい罵倒でした。もっとすごいことも言ってたけど、怖すぎて覚えてないくらい」

タクロウさんが少しだけ近づいていくと、ミエさんは急に黙り込み、競技に集中しているように振る舞った。タクロウさんには気づいたはずなのに、振り向くことはなかった。

「人を罵倒している姿を僕が見たとわかっているのかいないのか……。僕は保護者たちを割って入る気にはならなかったので、後ろのほうで見ていました。場の雰囲気がおかしかったので、近くにいた人に何かあったんですかと聞くと、『あの人が、場所を取られたと言って大騒ぎになって』と妻を指さした。『責められていたのは最近、この近所に越してきた方なんです。いたたまれなかったんでしょう、ほら』と顔を向けたところには、うなだれて帰っていく女性の後ろ姿があった。

『彼女、また怒ってるの?』『いくらなんでも言い過ぎよね』とささやき合う声が聞こえた。いやあ、恥ずかしかったです。僕が夫ですとも言えないし」

タクロウさんの知らないところで、妻は「危険人物」扱いされていたようだ。そこまでされるのはよほどのことだろう。

「その晩、ちょっと妻と話したんですが、妻は『私はもめごとなんて起こしてないわよ』と言うんです。『みんな妬んでいるだけよ』『私は正しくない人に、ちょっと注意しただけなのに私が悪者になってしまう』とも。誰が正しくて誰が悪いのか、僕にはわかりませんが、周りと揉めずに協調性を持ったほうがいいよとは言いました。妻はおもしろくなかったのか、ぷいと立ってリビングを出て行ってしまいましたが」

それ以来、タクロウさんは学校行事にはなるべく参加するようにしている。妻に自覚がないのだから、自分が前に出ていくしかないと考えたのだ。

「家の中で我慢しているストレスを外で発散させているとしたら、それは妻にとってもなんだか気の毒な話ですから。僕にストレートに話せない何かがあるのかなと考えちゃいますね」

今ならまだ修復ができるはず。タクロウさんは妻の様子を注意深く観察している。
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