さまざまな要因で株価が大きく動く3月相場、その実態は?
3月は年度末ということで、大半の企業にとって3月期決算の業績が確定する月であり、決算に伴い株主優待や配当の権利が確定する月です。今回は、このような3月相場にどのような傾向があるのか、過去の株価データを用いて調べてみました。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:全銘柄
検証期間:2000年1月1日~2023年1月31日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件:2月末の寄り付きで買い
売り条件:25日経過後、翌営業日の寄り付きで売り
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2月末に全銘柄を購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に勝率が50%以上で損益がプラスならば、3月は株価が上がりやすい月となります。反対に損益がマイナスであるならば、3月は下がりやすい月といえるのではないでしょうか。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
株式市場の傾向(3月)の検証結果
- 勝率:53.62%
- 勝ち数:43,537回
- 負け数:37,665回
- 引き分け数:1,640回
- 平均損益(円):2,094円 平均損益(率):1.05%
- 平均利益(円):19,081円 平均利益(率):9.54%
- 平均損失(円):-17,451円 平均損失(率):-8.73%
- 合計損益(円):173,461,811円 合計損益(率):86,732.17%
- 合計利益(円):830,745,091円 合計利益(率):415,382.86%
- 合計損失(円):-657,283,280円 合計損失(率):-328,650.69%
- PF(プロフィット・ファクター):1.264
- 平均保持日数:27.50日
以上が3月の株式市場の傾向です。検証結果を見てみると、勝率は53.62%、平均損益は1.05%です。勝率は5割を上回り、1トレード当たりの平均損益もプラスとなっていることから、3月は株価上昇しやすい傾向があるといえそうです。
しかし、損益の推移を確認すると、2020年に大きな暴落が確認できます。これは、皆様ご存じの通り「コロナショック」による暴落です。このようにまれな暴落は突然起こり、3月相場が原因とは判断できないので、やむを得ないといえるでしょう。
例年の3月相場は、決算企業の決算対策や、機関投資家が運用ファンドの利回り評価の引き上げを目的とした「ドレッシング買い」が入りやすく、個人投資家も配当や株主優待権利を目的に、買いを入れる傾向にあります。
一方で、法人企業や機関投資家が決算対策に株式を売却することから、売りも出やすい月ともいわれています。買い勢力、売り勢力ともに材料豊富な3月相場ですが、過去のデータを用いて検証した結果によれば、総合的に見て上昇しやすい傾向があるといえるでしょう。
3月の好調銘柄ランキング!
次は、3月の傾向をより詳しく確認してみましょう。3月は例年上がりやすい傾向がありますが、その中でも成績が好調な個別銘柄はどれでしょうか。 表は、先ほどの検証結果において勝率が80%以上の個別銘柄のランキングです。ランキング上位の銘柄を見ると、以下のようになっています。<2804>ブルドックソース
<2599>ジャパンフーズ
上位の2銘柄は、食料品銘柄となりました。また、中小型株であるということが特徴です(※本記事では、時価総額3000億円以上を大型株、時価総額3000億円未満を中小型株と定義しています)。
ランキングの中には、スタンダード市場で取引されている新興銘柄もあります。中小型の銘柄であるスタンダード市場の銘柄は大型株と比較すると値動きが激しく、投資家の動向が表れやすいといわれます。
そのため、企業による決算対策の売りが一巡した後は買いが入りやすく、株価上昇が期待できるのかもしれません。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)
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