16歳の時に高校を辞めて役者の道に
――濱田さんのキャリアについても伺いたいのですが、高校生の時に『3年B組金八先生』(第7シリーズ/TBS)に出演して、俳優としてやっていこうと思ったそうですが、それは演じることの面白さに目覚めたということなのでしょうか?濱田:僕は9歳から芸能界で仕事をしていますが『3年B組金八先生』の仕事が決まった時、すごく悩んだんです。このドラマは2クール(1クール約3カ月)撮影があるので学校を長く休むことになる。僕の通っていた高校は芸能活動を優先できる学校ではなかったので、『金八先生』を断るか、学校を辞めるかの2択になりました。結果、僕は学校ではなく『金八先生』を選んだんです。 ――10代で大きな決断をされたんですね。
濱田:まだ「自分は俳優で飯を食っていくぞ」なんて思っていなかったし、学歴社会なので高校中退になってしまうことへの引け目もありました。でも自分で「勉強したい」と思って行動に移せば、また学生になることはできる。でも16歳の自分に来た役が、18歳の時にまた来るかと言われたら、それは100%ないと思ったんです。
正直、いつまで俳優を続けていられるのかさえ未知数で運試しみたいなものでしたが、思い切ってこの世界に舵を切りました。
俳優の仕事は“理不尽さ”が魅力
――大きな決断をして選んだ『3年B組金八先生』出演以降、現在に至るまでドラマ、映画と大活躍ですが、俳優の仕事の楽しさ、演じることの喜びはなんでしょうか?濱田:難しいですねえ……僕はこの仕事は、“理不尽さ”が魅力だと思っています。例えば、お芝居をしていて「これはうまく行ったぞ。きっと日本中涙の渦だ!」と自信満々でも、素晴らしい演技か、全然ダメな大根役者か、決めるのは見てくださるお客さんなんです。決して努力が結果に結びつく仕事ではなく、報われないこともある。でもそんな手強さがいい。
例えば営業職は、契約が取れたら数字に現れるけど、俳優の仕事は数字では測れないので。ノルマがなく、ゴールが見えないのも魅力ですね。 ――確かにそうですね、お芝居の仕事にゴールはないかもしれません。
濱田:僕は、アルバイトもしたことがないし、就活もしたことがない、世間知らずだから続けて来られたのかもしれません。この仕事は、撮影が終わったらその作品のチームは解散するので、俳優は仕事がなくなり失業するわけです。それが繰り返されることがこの仕事の厳しさです。
おまけに撮影が終わると、人間関係もリセットされちゃいますから、好きな人たちとの別れが辛いですね。子どもの頃から、撮影が終わればガンガン怒ってくる怖い大人とはサヨナラできるけど、好きな人たちとも別れなくちゃいけないんだなあと思っていました。
でも、また好きな人たちと再会して一緒にお仕事できるように頑張ろう!と。それが子ども時代から僕のモチベーションになっていますね。
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