リゾナーレ初の都市型ホテルが誕生
星野リゾートのブランドの中でも、ファミリーフレンドリーなことで知られる「リゾナーレ」。2022年12月にオープンした6施設目の「星野リゾート リゾナーレ大阪」は、初の都市型ホテル。「ハイアット リージェンシー 大阪」という別ホテル内にあるユニークなロケーションにも注目です。両ホテルは完全に独立しているわけではなく、1つの建物で複数のブランドを体験できる「コラボレーションホテル」と呼ばれるもの。リゾナーレ大阪が運営するのは、23階・24階・26階にある全64の客室と、最上階28階に位置する「アトリエ」(※詳細は後述)ですが、宿泊者はハイアット リージェンシー 大阪のクラブラウンジやレストラン、フィットネスセンター、ガーデンプールなども利用できます。ちなみにチェックインのフロントも共通です。
<目次>
ホテルで教育!? 日本初“イタリアの先進的教育”を取り入れたホテル
「創造力を遊びこむ」をコンセプトにしたリゾナーレ大阪の最大の特徴が、イタリア発祥の教育アプローチである「レッジョ・エミリア・アプローチ」を取り入れていること。「共同性」と「創造性」を引き出すこの教育アプローチは、Googleやディズニーなどの附属保育園でも採用され、1990年代にはアメリカ版ニューズウィーク誌に「世界で最も先進的な乳幼児教育」として取り上げられたことも。リゾナーレ大阪では、そんなレッジョ・エミリア・アプローチの日本窓口を担う「まちの研究所」と協働して、アトリエを創り上げました。レッジョ・エミリア・アプローチは日本でもすでに保育園などで取り入れられていますが、ホテルで取り入れられたのはこれが初めてです。 実際にレッジョ・エミリア・アプローチを体験できるのは、さまざまな表現方法で遊びに没頭できる「アトリエ」と呼ばれる宿泊者専用施設です。ほかに「アトリエルーム」と呼ばれるコンセプトルームの客室もユニーク。順番に詳しく紹介していきましょう。
1日過ごしたい! 創造力を遊びこむ「アトリエ」
最上階28階に誕生した「アトリエ」を利用できるのは宿泊者限定。宿泊費とは別に子ども1人あたり1万5000円かかりますが、この場所こそが、リゾナーレ大阪の真骨頂。ぜひ体験してほしいと思います。なお対象年齢は12歳以下、推奨年齢は6歳以下、0歳は無料です。 469平方メートルの広々とした空間は、いくつかのエリアにわかれ、新しい経験やストーリーの旅へ誘ってくれます。たとえば「色彩との出会い」をテーマにしたコーナーでは、色を入り口にさまざまな素材に出会えます。素材は松ぼっくりや石、草木染めの布、アクリル、ビニール……など、本当にいろいろなものがあります。 ここには、使い方が限定されるおもちゃはありません。だから、同じものをつかんでも、お皿にしておままごとをする子もいれば、タイヤに見立てて遊ぶ子もいます。興味をかきたてる素材と出会い、よく観察して、それを使った表現方法を子ども自身で探索していけるのです。 アトリエ内には多くのモノがありますが、決して雑多な感じがしません。色別にわけたり、適度な空間をあけて置いたり、美しく配置されているため、自然と注意深く観察してみたい気持ちが湧き上がってきます。 アトリエでは、1つのことにずっと集中して取り組んでいる子も少なくありません。親としては「ほかもやらなくていいの?」とか「あっちも見たら?」なんて言いたくなるかもしれませんが、集中からしか得られないこともあるはずです。
アトリエには、探究のパートナーである芸術の専門家「アトリエリスタ」と呼ばれるスタッフがいて、子どもたちの表現活動をサポートします。アトリエリスタは決して誘導はしません。子どもが創造力を発揮しやすいよう、さりげなく考えることを促すのですが、その声がけや距離感が絶妙です。
表現を深めるプロジェクト活動
アトリエでは、日に5回「プロジェクト」と呼ばれる1時間のプログラムを開催しています。アトリエの利用には親の付き添いが必要ですが、プロジェクトなら子どもたちだけで参加OK。その間にパパママはティータイムをのんびり、なんて過ごし方もできます。 子どもたちは、アトリエリスタとの対話を通じて、自分の表現を深めます。現在行われている色をテーマにしたプロジェクトでは、絵を描くのも好きな筆を選ぶところからスタート。紙もさまざまな形や大きさ、素材から好きなものを選びます。 色の塗り方も本当に個性豊か。子どもたちものびのび自由に描いていて、「いい感じにできた!」なんてうれしそう。最後はアトリエリスタや家族と一緒に活動を振り返っていました。レッジョ・エミリア・アプローチの魅力とは?
ここであらためて、レッジョ・エミリア・アプローチの魅力について、少しだけ補足します。レッジョ・エミリア・アプローチの日本窓口であるまちの研究所の代表である松本理寿輝さんは、「わくわくしたり、好奇心を働かせたり、それが学びの始まりだと考えます」と話します。アトリエでは、さまざまな表現の方法に出会いながら、探索して、自分の体験をかたちにしていけますが、さらに、それを親子とアトリエリスタと呼ばれるスタッフ、仲間と振り返ることで、遊びや表現をさらに豊かにします。この一連の経験が「クリエイティブコンフィデンス(※創造力への自信)や創造的思考へのアプローチになる」といいます。
まちの研究所とリゾナーレ大阪で共同作成した、創造性を引き出すアプローチの図。アトリエも興味エリア、探索エリア、表現エリアにわかれていますが、それを意識して回る必要はありません
滞在中ずっと楽しい! 夢の客室「アトリエルーム」
客室も子どもにとっては夢のようです。コンセプトルームの客室「アトリエルーム」では、なんと壁の一部と窓に色鉛筆でお絵描きし放題! 靴を脱いであがるスタイルで、やわらかなカーペットが気持ちよく、赤ちゃんも存分にハイハイさせられます。 子どもがある程度大きくなってきたら、天井から大きくネットが張られた「アトリエルーム デラックス」もおすすめ。利用者からは「朝起きたら子どもがネットの上で遊んでいて驚いた」「子どもたちが勝手に遊んでくれてラク」なんて感想も届いているそうです。「アトリエルーム」はベッドが3台または4台、添い寝は無料なので、最大8名くらいまで泊まることもできます。また、全室のトイレに、おしりふきとオムツ用ゴミ箱、踏み台を設置してあるのも、子連れにやさしいリゾナーレらしい心づかいです。
ハイアット リージェンシーのクラブラウンジ利用がお得
追加料金を払うと、ハイアット リージェンシー 大阪のクラブラウンジを使うこともできます。ホテルによっては、クラブラウンジの利用に年齢制限がありますが、ここは子連れもウェルカム。アトリエと同じホテル最上階にあるので、子どもがアトリエのプロジェクトに参加しているあいだに、パパママはのんびりティータイムを過ごすのもいいですね。 12:00~17:00は「アフタヌーンリフレッシュメント」というアフタヌーンティータイム。17:30~19:30の「イブニングカクテル」の時間には、スパークリングワインをはじめとする各種お酒やソフトドリンク、チーズなどの前菜、ちょっとしたおかずやカレーまで並び、軽めの夕食ならここで済ませられそうです。 クラブラウンジ利用の追加料金は大人1泊1名6215円(税・サービス料込)。これには、1階の「ザ・カフェ」での朝食も含まれます。5歳以下の子どもは無料。家族での利用は、かなりお得です。レストラン・バジリコではキッズ向けのコース料理も
ホテル内にはいくつかレストランもあります。イタリアンレストラン「Basilico(バジリコ)」ではリゾナレーレ大阪のオープンに合わせて、キッズ用のかわいいコースメニューを新設しました。前菜はサラダやスープ、メインはニョッキやピッツア、魚料理やカツレツなどから選べて、さらにデザート付きと豪華! 親子での本格的なレストランデビューにもぴったりです。星野リゾート リゾナーレ大阪の基本情報・アクセス
大阪の中心部から電車で約40分。JR大阪駅からは無料のシャトルバス(所要時間約25分)が便利です。近くには海遊館などファミリー向けのスポットもあり、ホテルからは工事中の2025年の万博予定地も見えます。宿泊施設としてのホテルの役割を超えた、新しい体験ができる場所として、これからますます注目を集めそうなホテルです。■星野リゾート リゾナーレ大阪(ハイアット リージェンシー 大阪内)
住所:大阪府大阪市住之江区南港北1-13-11
宿泊料金:アトリエルーム トリプル 1泊1万8000円~、アトリエルーム デラックス1泊3万6000円~(いずれも1室あたり、税・サービス料込、食事なし ※宿泊税が別途かかります)
アトリエ滞在料金:1万5000円(子ども1泊1名あたり、税・サービス料込 ※0歳児無料)
アクセス:JR大阪駅より送迎バスで約25分/ニュートラム南港ポートタウン線 中ふ頭駅より徒歩約3分