お金の悩みを解決!マネープランクリニック/貯蓄達人の貯めワザ

33歳で金融資産1650万円「1馬力で暮らせないならそれは高望みかもしれない」

自らの努力と工夫で数千万円の貯蓄を手にした方に、その極意を語っていただく「貯蓄の達人」。今回は、33歳で金融資産1650万円を達成した、貯蓄達人「くるみ」さんが登場します。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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世帯収入は平均的でも、33歳で1650万円を達成した貯蓄達人が登場

自らの努力と工夫で数千万円の貯蓄を手にした方に、その極意を語っていただく「貯蓄の達人」。今回は、33歳で金融資産1650万円を達成した、貯蓄達人「くるみ」さんが登場します。

■基本データ
くるみさん(仮名)
女性・33歳・関西・パート
夫(37歳・会社員)、子ども2人(7歳、4歳)

■家計収支データ
 
貯蓄達人「くるみ」さんの家計収支データ

貯蓄達人「くるみ」さんの家計収支データ

 

達人と貯められない人、収入は変わらない……!?

今やMLBのスーパースターとなった大谷翔平選手。2021年11月に凱旋帰国した際の記者会見で「普段あまりお金は使いません」と、自身のプライベートにも言及。そして「だから、お金は貯まっていると思います」と、持ち前の爽やかな笑顔で話してくれました。

当然のことですが、収入が高く、支出が低くければ低いほど、物理的にお金はより多く貯まることになります。この「貯蓄の達人」に登場いただいた皆さんは、大谷選手とは桁は違うにせよ、結果的に多くが収入の高い世帯(夫婦とも正社員、など)となっています。

今回ご登場いただく「くるみさん」は、その点では異例かもしれません。ご夫婦とも30代と若く、お子さんが2人の4人家族。ご主人は正社員で、奥様のくるみさんはパート勤務。世帯年収は児童手当も含めて、手取りで502万円。働き方も収入も平均的な、言い換えれば「親近感を覚える」ファミリー世帯だからです。

実は、同じく当サイト連載の、お金に不安や困りごとを抱える人が登場する「マネープランクリニック」では、くるみさんの世帯と収入も家族構成も近い方の応募が少なくありません。かたや達人、かたやお金に悩む人。この違いはどこから生まれるのでしょうか……。

もしかしたら、貯蓄の本質に迫ることができるかもしれない。今回、そんな期待を抱かせる達人に話を伺ってみました。

ローンで余裕がなくなる人生は意味がない

まずは家計収支を整理してみましょう。

毎月の世帯収入(児童手当を含む)は手取りで36万円。対して生活費24万2000円。データで単純計算をすれば月11万8000円の黒字。ボーナスからは貯蓄10万円ですから、年間の貯蓄額はおよそ150万円。加えて、学資保険の保険料、年間20万円(ボーナスから捻出)も実質貯蓄ですので、年間のペースは170万円となります。

まだお子さん2人が小さいとはいえ、住宅ローンを抱えた30代半ばのご夫婦の貯蓄率が、手取り額の34%。それを実現できている大きな理由に、「あまり負担とならない住宅コスト」があります。

実は、くるみさんは最近、新築の建売住宅を購入しました。物件価格2380万円、借入額は2050万円、返済期間は35年、フラット35S利用で金利は当初10年間0.975%、それ以降1.175%。そして、住宅購入に際して、自己資金は500万円(諸費用含む)とのことですから、ついこの前まで2150万円の金融資産があったことになります。

「本当は夫婦とも注文住宅に強い憧れがあり、ハウスメーカーの説明会やモデルハウスの見学にも行きましたが、予算が建て売りの倍は必要だとわかりました。何とか返済は可能でしたが、ローンの支払いに全力を出して、他の部分に余裕が出せない人生は意味がないと、夫婦で意見が一致しました」

結果、無理のないローンを組むことができたくるみさんご夫婦。住宅に関しては「間取りや設備で、あれこれ妥協した」ものの、DIY好きのご主人とどう手を入れていくかプランを練るのが、今は楽しいそうです。

大小さまざまな支出を目の前にして、「今後も貯められる」か「貯められなくなる」かの選択を迫られるとき、自ずと後者は回避する。それが、貯蓄の達人の基本的思考もしくは本能なのかもしれません。

教育費を家計の「聖域」にしない

くるみさんの家計管理において、ベースとなるものが「1馬力で暮らす」ということ。つまりはご主人の収入だけで生活費をまかなう、つまりは1馬力で暮らせないならそれは高望み、ということです。
「くるみさん」が愛用している家計簿。「家計簿は貯蓄の相棒です。大学生の時から家計簿をつけるのが趣味で結婚してからは『袋分け家計簿』シリーズが使いやすく、8回リピートして使っています」昨年の水道光熱費と比較したり、貯蓄目標を確認してみたり、なぜ出費が多いのかチェックをしているとのこと

「くるみさん」が愛用している家計簿。「家計簿は貯蓄の隠れた相棒かもしれません。大学生のときから家計簿をつけるのが趣味で、結婚してからは『袋分け家計簿』シリーズが使いやすく、8回リピートして使っています」昨年の水道光熱費と比較したり、貯蓄目標を確認してみたり、なぜ出費が多いのかチェックをしているとのこと

結婚した当時、結婚式等で手元資金が減り、貯蓄は夫婦合算で200万円ほど。それでも正社員だったくるみさんの収入は原則、ほぼ全額貯蓄でき、年間300万円の貯蓄を実現。出産を機に退職し、世帯収入は激減したものの、パートとして働くまでは生活をリサイズして、支出を抑えました。

くるみさんは、家計管理も資金計画も、目標があればパッとできる。その能力に長けています。結婚前、自身の総額300万円の奨学金を、無利子型だったにもかかわらず、社会人になってわずか3年で全額返還してしまいました。

「結婚前に借金との名のつくものはすべて完済したかったので。実家は田舎で周辺は農家ばかり。もし、農家の嫁になると、自分のお金という感覚がなくなる(自分の自由に使えない)と母に聞かされ、ならば結婚前に返さなければ思っていました」

住宅とともに人生の大きな資金である「教育資金」も、計画的に増やしています。児童手当は預金口座を別にして全額貯蓄。学資保険はすでに一時払いしたもの(満期金が300万円)があり、他にも加入しています。

また、中学卒業まで別途、教育資金として月1万円ずつ貯めていく予定。これで、2人のお子さんそれぞれ17歳になるまでに900万円ずつ、計1800万円が用意できる見込みとのこと。

「日々発生する教育費については、小学校までは家計から捻出したいと考えています。例えば習い事など、もちろん必要であれば考えますが、基本的には本当にやりたいものかどうか、子どもに取捨選択してもらう。教育費だからといって、家計の中で聖域にならないよう意識しています」

フリマアプリで不要なものは手放し、副収入を得る

とはいえ、ご主人の収入からも貯蓄する、自身のパート収入は全額貯蓄することは、たまに達成できても、毎月継続することは決して容易ではありません。しかも、くるみさんは元来「ガンガンお金は使いたい(でも使えない)」タイプなのだとか。では、家計支出はどう抑えるのか。そのポイントは「創意工夫」にあります。

そのひとつがフリマアプリ。欲しいものを安く購入するのではなく、不要なものを売却し、副収入を得るのが目的です。

「個人間売買だと、ものによってはかなりいい値で売れるので、節約して支出を抑えるよりも、結果的に家計にはプラス効果が高いと感じています。売り上げは被服費や娯楽費、食費に回しています。あと、資産運用では株主優待を食費節約に活用したり、株式の売却益が出れば、多少、自分の楽しみに使ったりもしています」

一方、ご主人は、くるみさんの言葉を借りれば「生粋の倹約家」。全然ものを買わず、趣味はDIYや畑いじり。外食も、混む場所への外出も好きではないため、家族全体として、お金を使う行為、行動が少ないのだそうです。

家計に対する意識や管理が明確で、創意工夫を楽しめる。いわば、このご夫婦の二人三脚の歩みが、結果的に貯蓄の達人への道をたどっていたということなのでしょう。

「子ども時代、『ウチはお金がない』と親がよく言っていました。でも、今思うと、現状の我が家より、当時の実家の方が生活は豊かだった気がします。それでも、親にそう言われ続けたおかげで、結果的にこういう体質、思考になった部分もあるかもしれません。刷り込みって怖いですね」

くるみさんが実践している貯蓄のコツ

・先取りで貯金する。
・どんなときでも1馬力での家計予算を組む。
・固定支出を減らす。保険は、家に次いで高い買い物であると肝に銘じる。
・健康に勝る貯金と保険はないと考える。
・いつ使うお金かを意識し、適切なところに預ける。

なかなか貯蓄できない人への達人からのアドバイス

「生活に見栄が入ってしまうと、貯蓄が難しくなります。本当に欲しいもの、必要なものを見極めることが大事だと思います」

取材・文/清水京武
 

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